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トヨタとスバルが取組む「カーボンニュートラル燃料」ってナニ? 既存エンジン車にも使える!? 未来への挑戦とは

山本シンヤ

カーボンニュートラル燃料を使うメリットは?

 そして、もうひとつが水素と二酸化炭素を合成して製造される「合成燃料」です。

 ガソリンの主成分は炭素(C)と水素(H)の化合物である炭化水素(CH)の集合体なので、それを化学的に作り出すという物になるため「人工的な原油」ともいわれています。

 合成燃料=e-Fuelと思われがちですが、e-fuelには定義があります。

 それは「再エネ由来の水素」と「産業の排出源もしくは空気から直接回収された二酸化炭素」を原料として合成・製造した燃料であることです。

 ちなみにe-Fuelの「e」はEcoではなくElectroを意味し、「再生可能資源からの電気エネルギーを化学的に蓄えている」という用語になります。

 ではカーボンニュートラル燃料を使うと何がいいのか。

 それはこれまで100年以上に渡って進化を遂げてきた内燃機関も大幅なCO2の削減が可能になることです。

 さらにいうと、すでに世の中を走っているクルマにも活用できることも大きな強みのひとつですが、問題・課題がないわけではありません。

 ひとつは「製造コスト」です。

 安価で大量の低炭素水素が必要となるため、再生可能エネルギー電力コストの高い日本がどこまで対応できるかは、大きなハードルです。

 もうひとつは「エネルギー利用効率」です。

 再生エネルギーを直接充電できる電気自動車に対して、燃料にするためにさまざまなプロセスが必要になるので、効率としては低い……ということです。

 ただし、充電/給電の手間、航続距離、インフラといった悩みを持つ電気自動車に対して、カーボンニュートラル実現のための「選択肢」のひとつとしては、非常に強力な武器であると筆者(山本シンヤ)は考えています。

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