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水素カローラで話題の「スーパー耐久」とはどんなレースなの?

山本シンヤ

さまざまなクルマが参戦するスーパー耐久シリーズ、2021年シーズンにはTOYOTAが水素エンジンを搭載した「カローラ」で参戦し、大きな話題となりました。そもそもスーパー耐久シリーズとはどのようなレースなのでしょうか。

TOYOTA、SUBARUが参戦する「スーパー耐久(S耐)ってどんなレース?」

 スーパー耐久とは、1990年に発足した「N1耐久シリーズ」が前身となるツーリングカーレースのカテゴリーです。

 3、4名のドライバーによって長距離(時間)を走る耐久レースで、短いレースで3時間ないし5時間、最長は富士スピードウェイで開催される24時間です。

 そのためマシンは絶対的な速さに加えて信頼/耐久性、更にはピット作業や戦略を含めた「総合力」が勝敗の重要なカギとなっています。

 当初は限りなく市販車に近い状態(グループN規定)で開催されていましたが、1995年に改造範囲を広げたことで「スーパーN1耐久」へと改名。

 さらに1998年に自動車アフターマーケットとの連動を目的に規則を変更したタイミングで「スーパー耐久シリーズ」に再度改名、現在に至ります。

 その特徴はエンジン/車体共に大幅な改造が認められているスーパーGTに対して、量産車に近いマシンによって争われていることでしょう。

 そうしたことから「日本の“ハコ”レースの最高陣」と呼ばれることも多いです。

 クラス分けの多さも特徴のひとつで、排気量や駆動方式などによって分けられたST1からST5に加えて、FIA-GT3(ST-X)/GT4(ST-Z)/TCR(ST-TCR)といった国際規格に準じたマシンも参戦可能。

 さらに2021年より自動車メーカーの開発車両が参戦できる「ST-Q」を新設。

 2021年には、トヨタが水素エンジンを搭載した「カローラ」の参戦で話題となりましたが、カーボンニュートラル時代に向けた「走る実験室」としても活用されています。

 そんなことから車種バリエーションも豊富で、近年は日本のスポーツモデル復権も功を奏して新型車がベースとなるマシンの参戦も増えています。

 ちなみにタイヤは全クラス「ハンコック」のワンメイクになっています。

 ドライバーは国内外で活躍するプロドライバーからワンメイクレースからのステップアップ組、さらにはジェントルマンドライバーまでさまざまです。

「参加して楽しむレース」としての人気が非常に高いですが、近年は「見て楽しむレース」という部分にも力が入っています。

 そのひとつが各レースを無料でライブ中継する「Super Taikyu TV」で、多くの登録者が集まる人気コンテンツとなっています。

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