なぜ人気?惑星を旅するカラフルなスピードマスター×スウォッチの魅力とは
「宇宙への挑戦」をテーマにしたオメガの傑作を高精度に再現
かたや風格漂うスイスラグジュアリーウォッチの老舗ブランド、かたや時代の空気を映す高感度なデザインが魅力のカジュアルウォッチ。
ともにスウォッチグループを牽引する人気ブランドながら、いうなれば対極というべき位置付けにあるオメガとスウォッチのコラボレーション・ローンチの知らせが届いたのは2022年3月下旬のこと。
突然のニュースは瞬く間に時計愛好家の間を駆け巡り、多くのファンが発売当日を待たずに世界各地の店舗前に列を作った。あまりの熱狂ぶりに、日本国内では急きょ発売を延期、店舗自体の営業そのものが休止となるほどの騒動となったのは、ニュースなどで報じられているとおりだ。
「一体なぜ?」といぶかしむ人はまず、オメガのマスターピースである“スピードマスター ムーンウォッチ”について知らなくてはならない。
「ムーンスウォッチ」のネーミングからも分かるとおり、今回発売されたコラボモデルのベースはオメガのスピードマスター。NASAの有人宇宙飛行計画に制式採用されたオメガのアイコニックなコレクションで、月面着陸を宇宙飛行士とともに成し遂げた1969年に、“スピードマスター”の名を一躍世に知らしめたモデルだ。
もちろんムーブメントは機械式ではなくクオーツ式だし、バンドもカジュアルに装着できるベルクロストラップ。ケース素材もステンレススティールではなく、セラミックにヒマシ油を原料にした混合素材をあわせた“バイオセラミック”なる新素材で、装着感は圧倒的に軽やかに仕上がっているようだ。
一方、ケース径は現行ムーンウォッチと同じ42mmで、プッシュボタンをカバーするように張り出した独自設計もオリジナルと同じもの。ベゼルに印字されたタキメータースケールの“ドットオーバー90”や特徴的なサブダイヤルも、オメガの名品を慎重に再現している。
時計好きなら誰もが知るアイコニックなデザインを身にまとったクオーツが、3万円台前半で手に入ると聞けば心が騒ぐのは当然だろう。
●太陽系をテーマにした11のバリエーション、斬新なカラーにファンも騒然
さらに今回のコラボレーションが話題を集めた理由としてはもうひとつ、全11種の個性豊かなバリエーションが揃っていることが挙げられるだろう。
いずれも太陽系の惑星や準惑星をモチーフにしたもので、例えばはっきりとした原色が見る人の目を惹く「Mission to Sun」「Mission to Mars」、あるいはパステルカラーが愛らしい「Mission to Venus」「Mission to Uranus」など、元祖オメガでは到底成し得ないカラフルな色使いはあまりにも斬新。
一方、月をテーマにした「Mission to Moon」では、ダイヤルとベゼルはブラックで、針とインデックス、タキメーターの目盛りはホワイトなど、本家ムーンウォッチの意匠を忠実に再現している。
オメガのファンであれば「こんなムーンウォッチは見たことがない!」と驚嘆し、スウォッチのコレクターは「あの伝説的なアーカイブを身にまとったスウォッチが出るなんて」と感涙にむせぶ。奇跡のコラボレーションは、互いに敬意を払う両ブランドでなければ実現できなかったものだ。
第一回目の販売は抽選エントリー方式となり、すでに受付は終了。しかし、限定生産ではないため順次集荷されることがすでにアナウンスされている。どのモデルにしようか、目移りしながら続報を待つのも楽しそうだ。
●製品仕様
・価格(消費税込):各3万3550円
・ケース径:42mm
・ケース厚:13.25mm
・ケース:バイオセラミック
・ストラップ:ベルクロ
・ムーブメント:クオーツ
・防水性能:3気圧防水