「24時間走りきるために…」 速さと耐久の課題に挑む! TOYOTAとSUBARUの飽くなき挑戦心とは
2022年5月10日にスーパー耐久シリーズ2022の公式テストがおこなわれました。来たる第2戦「富士24時間レース」に向けたカイゼンやセッティングが各チームの目的ですが、GR86とSUBARU BRZはどのような課題を持っていたのでしょうか。
富士24時間レースに向けたGR86とSUBARU BRZの課題とは
2022年3月末におこなわれたスーパー耐久シリーズ2022の開幕戦から約2か月。
ゴールデンウィーク明けの5月10日に富士スピードウェイで公式テストがおこなわれました。
どのチームも6月3日から5日の24時間耐久レースに向けての準備というわけです。
GR86/SUBARU BRZ共に開幕戦はどちらも完走したものの、両チームともにさまざまな課題があったのも事実です。
それを元にこの短期間でマシンがどのように進化・熟成したのでしょうか。
開幕戦では隣同士だったピットですが、今回は同じピットビルBながらも若干離れており、適度な距離感……といった印象です(笑)。
ちなみに24時間は長丁場のため多くのチームが助っ人ドライバーが起用されることが多いですが、ルーキーレーシングは2021年のスーパーGT GT500チャンピオンの関口雄飛選手、スバルはラリードライバーの鎌田拓磨選手とレーシングドライバーでありプローバ・代表取締役社長の吉田寿博選手が加わっています。
まず走行前に両マシンのチェックです。変更箇所が少ないのはGR86で、ホイールと空力アイテムが変更されています。
ホイールは従来品も用意されているので、比較テストでしょうか。
空力アイテムはパッと見ると違いがよく解りませんが、下回りを覗いてみると、フロントスポイラーが床下を覆う形状になっています。
この辺りについて開発責任者の藤原裕也氏(今回は諸事情でリモートで参加)に聞きてみました。
「エアロパーツは床下をフラットにすることで整流効果を高め、ダウンフォースを得ることが目的です。ホイールは性能比較や脱着性確認も含めてテストを行ないます。
目に見えない部分ですが、サスペンション周りのアップデートやエンジン側の課題(燃料がオイルに希釈する問題)の対策もおこなっています。
前回は5時間走り切ることができましたが次は24時間、正直言うと信頼性はまだまだなのでその辺りを今回のテストで確認できれば……と思っています」
一方のSUBARU BRZは見える部分、見えない部分共に大きく手が入っています。
見た目の部分では唐草模様が入るボンネットにはルーバーが追加されているのが確認できます。
加えてステッカー未装着の左右ドアも気になります。この辺りを監督の本井雅人氏に聞いてみました。
「開幕戦までのマシンはST-4のレギュレーションに準じたスペックでしたが、さまざまな確認も取れましたので新たなステップとなります。
ボンネットは冷却はもちろん空力性能の引き上げを目的にルーバー付きを採用、ドアはカーボン製の採用により左右で30kg近く軽量化。
加えて、サスペンション周りは取り付け点やブッシュ周り、ロールセンターなどを変更するなど、量産から先行開発のフェイズに入ったというわけです」
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どちらも順調に走行を重ね、24時に向けた伸び代を実感……といいたい所ですが、両チームともに想定通りにはいかず。
最速タイムをチェックしてみると、GR86は「1分55秒657」、SUBARU BRZは「1分57秒977」。
数値的にはGR86が勝っていますが、どちらも課題を抱えるなかでのタイムで本来のポテンシャルではないようです。