【WRCってナニ?】 過酷すぎるモータースポーツ! ラリーの頂点とは
ラリーのなかでも最高峰に位置するという、FIA世界ラリー選手権(WRC)。どのようなものなのでしょうか。
市販車ベースでおこなわれチーム全員で協力しタイムアタック
モータースポーツのなかでも屈指の人気を誇るラリー競技。
そのなかで、FIA世界ラリー選手権(WRC)は最高峰に位置するチャンピオンシップですが、一体どのようなものなのでしょうか。
WRCは「世界ラリー選手権」のことで1973年に創設。ラリーとはスペシャルステージ(SS)と呼ばれる交通が遮断された一般道を、市販車をベースとしたラリーカーで走行するものです。
競技中は、コースのナビゲートをおこなうコ・ドライバーを助手席に乗せ、ペアを組んでタイムを競います。
ラリー競技は一般的なサーキットでの競技と違い、コース内を複数台で走行し順位を争うのではなく、1台ずつ1分から3分間のインターバルを置いて競技をおこないます。
そのなかでWRCは、3日から4日間ほどの本番期間のなかで、各SS(スペシャルステージ)でのタイムを合計することで順位が決定します。
SSとは、2km程度から50kmなどの距離で区切られ、ターマックと呼ばれる一般的な舗装路のほか、未舗装路のグラベル、雪道のスノーなどさまざまな路面コンディションが設定されます。
どのSSでも常にアクセルを抜かずに走行することが求められますが、急な天候の変化や車両の故障、ミスによるクラッシュなど予想外のアクシデントが起こることもあるようです。
なお、リエゾンと呼ばれるSS間の移動では交通の遮断されていない公道を走行しますが、当然ながら一般車と同じ交通ルールを守って走行しなければなりません。
このリエゾンでは観客が間近でラリーカーを眺めることができるのも魅力のひとつです。
WRCの基本的なスケジュールとは
WRCは、基本的なスケジュールが決まっており、1週間のうちにおこなわれます。
各チームはラリー開催週の月曜日に、拠点となるサービスパークの設営からスタート。
サービスパークとは、サーキットにおけるパドック、ピット、ガレージの場所に相当。ラリーカーの整備や保管をおこなうサービスの拠点となるところです。
火曜日と水曜日にはSSの下見であるレッキを実施。路面やコーナーの曲線などを事細かに観察・記録します。コ・ドライバーはペースノートという路面記録をもとに、本番ではドライバーに正確に伝えることが勝負のポイントです。
そして木曜日から本格的に競技走行が開始します。競技開始はセレモニアルスタートとして華やかにおこなわれ、ファンの前で1台ずつ表彰台に登ってスタート。
木曜日から日曜日はSS内でタイムアタックを実施。合計で15本から25本と大会によって本数は異なりますが、リエゾンを含めると1大会で1000km以上を走破することもあります。
競技4日目の日曜日は最終SSを走行。上位5名はパワーステージと呼ばれる特別なSSに出場しタイムを競いながら、年間での順位を決める選手権ポイントも奪い合います。