【WRCってナニ?】 過酷すぎるモータースポーツ! ラリーの頂点とは
ドライバーとコ・ドライバーの協力だけでは成り立たない
WRCは1大会で約1000km以上を走破することもある競技です。
ターマックだけでなく、グラベルやスノーなどタフな路面も全速力で駆け抜けるエキサイティングなスポーツですが、ドライバーとコ・ドライバーの2人だけでフィニッシュすることはできません。
とくに、過酷な路面を極限までタイムを削って走破するため、メカニックは常に苦労が欠かせないものとなります。
常に路面状況の把握が必要で、そのたびに最速を狙った確実なチューニングを実施。ブレーキやサスペンションにいたるまで現場で綿密に調整をおこないます。
タイヤはひとつの大会で使用できる本数が限られており、交換のタイミングも計算しなければならないほか、天候の変化、予期せぬクラッシュや故障にも即座に対応する力が必要になります。
さらに、競技がスタートするとサービスパークでの整備は時間とタイミングが制限されます。
24時間耐久レースでありがちな数時間にもおよぶ作業はできず、スタート前15分、日中30分、夜間45分と明確に定められています。
加えて、夜間の作業時間後はパルクフォルメと呼ばれる車両保管場所に移され、夜通しで整備をおこなうことができません。
あらゆる状況下で常に時間との戦いを強いられるのが、WRCに参加するチームに求められます。
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WRCは完走できること自体がひとつの大きな目標です。
これまでのWRCを見ても、世界最高峰のドライバーと一流メーカーとの組み合わせであっても、途中リタイヤすることはよくあることで、極めて過酷なモータースポーツのひとつといえます。
また、荒れた路面を全開でアタックするため、クラッシュはつきもの。時には車両が使えなくなってしまうだけでなく、なかにはドライバーやコ・ドライバーが死亡する事故も過去にはありました。
一方で、このような過酷な競技に参加することで、ドライバーやメカニックの技術向上が図られるだけでなく、メーカーにとってはサスペンションやブレーキ、駆動系などの技術を高める機会となり、市販車にフィードバックがおこなわれています。
これはWRC以外のモータースポーツにも共通し、技術の高さやメーカーの威信を示すだけに留まらず、自動車業界の発展を支えるものとなっています。