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新型「GRヤリス」登場! 現行オーナーが感じた「新たな魅力」とは

山本シンヤ

進化版GRヤリスは何が変わった? ほぼ全部? 現行オーナーが解説!

 東京オートサロン2024でTOYOTA GAZOO Racingが新型「GRヤリス」(以下進化版GRヤリス)を世界初公開しました。
 
 先立ってサーキットで試乗した印象はどうだったのでしょうか。現行オーナーである筆者が細かく解説していきます。

 2020年の東京オートサロンで世界初公開された「GRヤリス」は、「セリカGT-FOUR」以来となるスポーツ4WDです。

 開発コンセプト「Strong Sport Car」の実現のために、トヨタのルール/基準を超えた設計、データとドライバーのコメントを紐づけしたテスト方法、その場で直して乗ると言うスピード感、プロドライバー評価の可視化、生産直前まで止まらないカイゼン等、全てにおいて従来のトヨタの常識を覆す手法が取られました。

 初公開時は「400万円越えのヤリスなんてありえない」、「WRXやランエボには敵わない」などと言った否定的な意見も聞かれましたが、試乗記事が出回り始めると、「只者ではない」、「コイツはすごい」と評価は一転。

 日本はもちろん世界でも人気は高く、1年でホモロゲ獲得に必要な2.5万台をクリア。その後もバックオーダーを抱えるほどの受注でした。

 そんなGRヤリスは登場以降も開発は続けられ、モータースポーツをはじめとする極限の状態で「壊しては直す」の繰り返しを行なってきました。

 モリゾウこと豊田章男氏はそこで鍛えた成果を「ユーザーにシッカリと還元すべき」と語っています。

 すでに「GRMNヤリス」や既販車へのアップデート/パーソナライズなどが行なわれていますが、そのひとつの集大成が「東京オートサロン2024」で発表された「進化型GRヤリス」です。

 GRは進化型と控えめに語っていますが、その変更内容は車両全体に多岐に渡ります。

 今回、発表に先駆けて袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗してきました。

 筆者は現行GRヤリスを所有していますが、結論から言うと今回の試乗で「買い替え」を決めました。
 つまり、それくらい凄いクルマだったのですが、詳しく説明していきましょう。

 エクステリアは前後デザインを刷新。フロントは開口部が拡大されたバンパーの採用でアグレッシブさが増した印象です。

 バンパーロアは補修性を考え分割式に変更されていますが、現行モデルで好評のエアロパーツ(GRパーツ)は流用できず。新たに開発してくれる事を期待しましょう。

 リアはトレンドの一文字のテールランプを採用しますが、全体的には現行モデルよりシンプルな印象です。

 バンパーロア部は操安性に寄与する形状だと言いますが、個人的にはマフラーの焼けが良く見えるので走り込みが必要かなと。

 更にリアスポイラーはマットブラック→同色に変更。細かい部分ながらも、全高の低さやスタンスの良さがより際立って見えるようになっています。

 ホイールのデザインの変更ありませんが、ボディカラーは現行モデルの4色に加えて、新たに「プレシャスメタル」が追加。

「GRカローラ」でも使われていますが、ブラックの加飾とのマッチングの良さに加えてクルマがよりシュッと引き締まって見えます。

 インテリアは全面刷新されベースとなるヤリスの面影はありません。

 専用のインパネは上部のフラット化とルームミラーの取付位置変更で視界性能(特に左前)を大きく向上。運転席に15度傾けた操作系やバラバラだった走行系スイッチの集約などにより操作性もアップ。
 更にスポーツカーにしては素っ気ないデザインのメーターもGRカローラ譲りの多機能フル液晶式に変更されています。

 それと合わせて「スポーツカーしては高すぎ」と指摘されていたシートポジションにもメスが入り、ヒップポイントは25mmダウン。それに合わせてステアリングやペダルの位置も最適化されています。

 細かい部分では、使いにくかったパワーウィンドウスイッチの変更、助手席トレイ追加(ラリーなどで役立つ)、更に筆者がずっと指摘していたJBLオーディオの見直しなども行なわれています。

 オーディオは試乗車に搭載されておらず試聴はできませんでしたが「全開走行でも負けない音作りをした(開発者)」と聞いたので、期待大です。

 エンジンは軽量ピストン、高燃圧対応、動弁系強化などハードにも手が加えられおり、出力は272ps/370Nm → 304ps/400Nmにアップ。スペックからも解るようにGRカローラ用を水平展開しているのでしょう。

 更にパワートレイン/EPS/エアコンなどの設定が可能なドライブモードセレクト(ノーマル/スポーツ/エコ/カスタム)も用意されています。

 実際に走らせると、応答の良さ(ターボラグが少ない)とパンチのある力強さ、そしてレッドゾーンを超える勢いで回るフィーリングなど、スペック以上にスポーツエンジンらしい野性味のある特性になっています。

 ハイスペックになっていますが扱い辛さはなく、むしろトルクバンドが広くなっているので、現行モデルでは2速か3速で悩むコーナーでも進化型は迷うことなく3速を選べるくらいの粘りを持っています。

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