トヨタ社長自ら「水素GRヤリス」で走った! 水素で「Fun to Drive」を発信! 11月「ラリージャパン」はどうなる?
水素エンジン車を欧州で走らせた印象は? 水素の良さは伝わった?
―― 水素エンジンは2021年から日本のS耐で走らせていますが、欧州の道で走らせてみて、どのような印象でしたか。
豊田:何も知らずに乗ったらGRヤリスのガソリン車との違いは解らないと思います。
ただ、細かく見ていくと水素エンジンのほうがフィーリングは軽い感じはしますね。
それよりも、さまざまな規制、カーボンニュートラル、電動化などが叫ばれるなか、WRCの本場であるヨーロッパで水素エンジンを走らせたことで、内燃機関でも「CO2ゼロ」をアピールできたことが大きいと思います。
――欧州メディアからも「水素エンジン凄い!!」といった声も聞かれました。表向きはBEVシフトといいつつも、みんなエンジン車が好きなんですね。
豊田:私は常に「選択肢の幅を広げませんか?」と唱えてきました。
それは日本だけでなく欧州も同じです。多くの人は「水素=危険」というイメージがありますが、私が乗ることで「安心」、「Fun to Drive」が伝わってくれたら嬉しいです。
WRCには五感で感じるクルマ好きが集まりますが、「敵は炭素、内燃機関ではない」というプレゼンではなく、クルマで感じてもらえたのは良かったです。これも“現地現物”です。
―― 豊田社長はFIA評議員という顔も持っていますが、その立場で水素エンジンの話もしているのでしょうか。
豊田:評議員の役割は年4回の会議に出ることですが、それだけでなくWRCを含めたFIAのイベントで何か新しい“動き”に変えていけるといいなと考えています。
現在はそんな提案をおこなっている最中ですね。
FIA評議員の選出理由はトヨタ社長ではなくモリゾウのほうが大きいですからね。
なので、もっとモリゾウ色を活かすやり方を考えます。