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【レース現場から市販車が誕生!?】 GRが掲げる「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」とは

山本シンヤ

TOYOTA GAZOO Racingは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げています。従来のクルマ作りは市販車をベースにすることが定番でしたが、モータースポーツから市販車へフィードバックするクルマ作りとはどのようなものなのでしょうか。

GRが掲げる「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」とはなんなのか

 トヨタがドイツ・ニュルブルクリンク24時間耐久レースを活用してスポーツモデル(レクサス「LFA」やトヨタ「86」など)の開発をおこなったことは有名な話です。
 
 近年はモータースポーツが「もっといいクルマづくり」の近道……すなわちクルマと人を鍛える場として積極的に活用されています。

 それはワークス参戦をおこなうWRC(世界ラリー選手権)やWEC(世界耐久選手権)だけでなく、スーパーGTやスーパーフォーミュラといった日本のトップカテゴリーはもちろん、スーパー耐久や全日本ラリー、さらにワンメイクレースなどにおよび、さまざまなモータースポーツが量産車開発に紐づいています。

 直近では水素エンジンを搭載した「カローラ・スポーツ」、そして2022年はそれに加えてカーボンニュートラル燃料を使った「GR86」の挑戦など、先行開発を実証する場という役目も担っています。

 それらをけん引するのが「TOYOTA GAZOO Racing(以下GR)」です。

 GRの役目はトヨタのモータースポーツ活動やスポーツモデル開発を担当する組織ですが、その本質はトヨタという大きな母体でやれないチャレンジをしながら、トヨタに刺激を与えること/変えていくことです。

 つまり、2007年にモリゾウと成瀬弘氏が立ち上げた“元祖”GAZOO Racingの想いを、より継続的、より現実的、より素早く行動に移すことです。

 そもそも、モータースポーツ参戦が「もっといいクルマづくり」に繋がるのでしょうか。

 今の技術を使えば、データだけでクルマを1台開発することは容易いでしょう。

 しかし、リアルワールドではデータだけで予想できないこともたくさん……。

 そんな“リアル”を、モータースポーツという極限の状態で“経験”することで、人もクルマも鍛えられる。

 それが豊田章男社長の「もっといいクルマ作り」におけるブレない根っこになります。

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