「当て逃げ」の代償は? 駐車場で「ゴツン!」気づかなかったじゃ済まされない! 逃げたら立派な犯罪に
当て逃げされた! 被害にあったシチュエーションは?
では逆に、自分が当て逃げされた被害者の場合はどう対処すべきなのでしょうか。
被害者の場合でもまずは警察に通報すべきでしょう。警察への通報によって事故があったことが公式に認定されると「事故証明書」が発行されます。これが保険会社に被害報告して補償してもらうときに必要になります。
また加入している保険会社に連絡する場合も、被害が発覚した時点ですぐに連絡するのが望ましいようです。

ただし、被害を受けた側は、その被害を自ら立証しなければなりません。つまり自己防衛策を講じて証拠を残しておかなければ、犯人特定までは至らないこともあります。
そのためには、監視機能(車両に異変が生じた場合に撮影がスタートする機能)がついた、しかも360度録画できるドライブレコーダーがあると証拠が残しやすいでしょう。
ドライブレコーダー未装着の場合は、駐車した場所周辺の施設や店舗に事故当日の防犯カメラ映像などを確認させてもらうのもひとつの方法ではありますが、必ずしも犯行現場が映っているとはかぎりませんし、そもそも映像を見せてもらうことが難しいこともあるでしょう。
やはり、これからの時代はドライブレコーダーが必須アイテムと言えそうです。
それでは、どんなシチュエーションで当て逃げされやすいのでしょうか。実際に被害に遭った人に話を聞いてみました。
輸入車セダンに乗っているFさん(40代)は、都内の高級和食店専用の駐車場で被害に遭遇。監視機能がないドライブレコーダーだったため、泣き寝入りするしかなかったそうです。
「お店が都内の一等地にあって、目の前に専用駐車場がありました。ただ駐車場に少し傾斜があって、嫌な予感はしていたんです。
食事を終えて戻ってみると、隣に停まっていたクルマはなく、気がついたら助手席側のドアに凹みキズがついていました。お店は高級でも、お客までは高級じゃなかったみたいです」
傾斜がついた駐車場は非常に曲者です。向きによってはドアの重さで勝手に大きく開いてしまい、隣のクルマにゴツンとぶつけてしまうことも多いのです。
これを避けるためにも、できるだけ平坦な駐車スペースに停めたり、商業施設の駐車場では施設の入り口から遠くなっても周囲にクルマの少ない場所に停めるなど、隣のクルマとはできるだけ距離を取るように対策することが必要かもしれません。
渋滞中に無理な割り込みで接触事故を起こされたSさん(30代)。渋滞した交差点周辺で、右折先の道路も詰まっていて、自車がやっと進めるくらいのスペースしかなかったという状況で、別の車両が突然車線変更してきてゴツンとぶつかったそうです。
「ぶつけたクルマを見たら、手を挙げている様子だったのでハザードをつけて停車するものだと思ったら、強引に向きを変えて逃げてしまいました。
幸いドライブレコーダーに車種やナンバーなどが映っていたので、のちのち検挙されたと聞きました」
都市部の繁華街や幹線道路などは交通量も多く渋滞しがちですが、接触事故を起こしたのに逃げてはいけません。被害者であっても加害者であっても、警察と保険会社に報告すべきでしょう。
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誰だってわざとぶつけたわけではないのは百も承知ですが、問題は起きてしまったあとの対処です。すぐに警察や保険会社に連絡を入れ、互いに敬意をもって対応すれば物損事故で済むこと。
「どうせバレないだろう」というのではなく、自ら事故を申告することが、被害を最小限に留める方法なのです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。
















