道の駅の車中泊NGが話題に 車中泊OKの動きも 可否判断の基準とは
全国に数多く点在する「道の駅」。 近年では、車中泊ブームの火付け役ともいわれています。しかし、利用者のトラブル続出により、車中泊を禁止する場所も増加していました。現在では、道の駅の車中泊は可能なのでしょうか。
過去に車中泊NGとなった道の駅、現在は?
近年、注目を浴びている道の駅は、単なるドライブの休憩として利用する以外に、さまざまなサービスを展開することで観光地化しています。
さらに、車中泊ブームのあおりを受けて、敷地内で車中泊をするユーザーも増加傾向にありますが、利用者のマナー違反を理由に、車中泊を禁止する道の駅も登場し、話題となりました。現在では、どのような状況になっているのでしょうか。
国土交通省によると、日本全国にある道の駅は、2020年3月時点で1173か所も存在。最初の道の駅は、1991年に社会実験として12か所の施設からスタートしましたが、それから20数年で100倍以上もの数に増加しています。
一般社団法人・全国道の駅連絡会によれば、道の駅は主に3つの機能を掲げています。まず、24時間無料で使用することができる駐車場やトイレなどを設置する「休憩機能」。時間を選ばず使えるトイレや駐車場がある道の駅はドライバーにも重宝されています。
次に、道路情報や地域の観光情報などを提供する「情報発信機能」、最後は皆が使える共用施設や観光施設などの地域振興施設として道の駅が存在するという「地域連携機能」です。
では、道の駅での車中泊は、この機能のうちに入るのでしょうか。また、道の駅で車中泊をおこなうことは認められているのでしょうか。
国土交通省によると、道の駅駐車場での車中泊の可否について、次のように説明しています。
「道の駅は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。もちろん、道の駅は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません」
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つまり、「宿泊目的」で道の駅を利用することはNGですが、施設内で交通安全のために「仮眠」をとることはOKということになります。
この微妙な回答から、車中泊禁止の看板を出す道の駅もあれば車中泊OKとしている道の駅もあるなど、各自でルールを定めているようです。
例えば、北海道清里町にある摩周湖近くの「道の駅パパスランドさっつる」では、以前は車中泊禁止の看板を掲げていました。
しかし、現在公式サイトには「連泊で車中泊、登山客のお客さまのためにドッグラン隣の敷地にコインランドリーあり」との記載があり、車中泊を禁止してはいない様子です。
一方で、北海道上川郡の「道の駅びえい」の公式サイトでは「駐車場は、宿泊施設ではございません。駐車場における休息は、必要最低限にとどめ連泊・長期滞在を行わないでください」と記載され、「長期滞在を行わなければ、車中泊は認められる」とも受け取れます。
こうした道の駅での車中泊を巡るルールについて、東北のある道の駅の担当者は、以下のように話しています。
「わたくしどもの運営する道の駅では、車中泊を巡るトラブルが発生していないこともあり、表立って車中泊を禁止にはしていません。しかし、公に車中泊を許可することは、責任やリスクの観点からできないのが現状です。
例えば、従業員が帰ったあと、つまり道の駅にスタッフがいない状態で車中泊を巡るトラブルが発生した場合、責任が取れないのです。そのため、公式には車中泊を認められないという事情があります」
また、実際に車中泊をする利用者については、以下のようにも話しています。
「クルマでの車中泊では無い例ですが、主にバイカーの利用者様が、雨宿りなどを目的として一人用のテントを張られていることがあります。地面にペグを打たない、すぐに片付けられるものです。
本来はグレーなのですが、これも従業員が帰ってから、次の日に出勤するまでの間にいなくなってしまいます」
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道の駅では、車中泊利用者によるポイ捨てや、心無い行動などが原因となり、車中泊が禁止される動きもありました。
最近では車中泊を禁止していた道の駅も、再び車中泊を認めつつある動きが広がっていますが、車中泊に関してOKかNGかを明確にはしておらず、ケースバイケースに対応しているようです。
利用者のマナーが悪化すれば、道の駅では再び車中泊が禁止されることは想像に難くありません。車中泊が禁止とならないよう、道の駅で車中泊をおこなう場合は、トラブルやマナーに気をつける必要があります。
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