スポーツセダンのルネサンス! 隠れた名機、アルファロメオ「ジュリア」【PR】

セダンの人気がなくなって久しい。しかし、それはいつでも走りに出かけたくなるような、手頃で魅力的なスポーツセダンが不在だったからだ。ピュアなFRスポーツセダンへと原点回帰したアルファロメオ・ジュリアは、走りを忘れた大人たちのハートに、再び火を付けてくれるだろう。

佇む姿が、すでに走りへの予感に満ちているアルファロメオ・ジュリア

 週末深夜の湾岸線。横浜方面から都心へと向かうクルマの流れが、エアポケットが生じたように途切れる瞬間がある。クリアになった川崎航路トンネルで、DNAドライブモードを「NATURAL」から「DYNAMIC」に切り替え、さらにアクセルペダルを踏み込む。510馬力を発揮するV型6気筒エンジンのサウンドが、トンネル内に谺する。自らが奏でたエキゾーストサウンドが、ジュリアの身に降り注ぎ、そのバイブレーションはドライバーの肌を直接震わす。

 アルファロメオ「ジュリア2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」──通称ジュリア・クアドリフォリオ。この美しき野獣は、ニュルブルクリンク北コースで7分32秒というタイムを叩き出し、2016年当時、量産4ドア世界最速という称号を得た。

駆動方式がFRのアルファロメオ「ジュリア・クアドリフォリオ」は、前後重量配分も理想的な50:50を実現している

 湾岸線をさらに東へ走らせ、東京港トンネルを抜けて臨海副都心で一般道へとジュリアを導く。レッドゾーンまで回したエンジンのクールダウンではなく、むしろドライバーの昂ぶった感情を鎮めるためだ。

 車外の冷たい風にあたるべく、クルマから降りて改めてジュリアの佇まいを眺めてみた。ジュリアのサイドには、フロントフェンダーからリアドアハンドルまで、街路灯に照らされて彫りの深い1本のラインが浮かび上がっている。クアドリフォリオにはフロントフェンダーにエアアウトレットがあるため、通常ラインナップのジュリアよりもさらにサイドのキャラクターラインが引き立っている。

 夜の街で見るジュリアの姿は、白昼の自然光のもとで見るよりも肉感的で、デザイナーが描きたかったボディラインがさらに伝わってくるようだ。静止した状態でも表現されているのは、「スピード」。それもストレートでのスピードではなく、コーナリングスピードだ。

 ドライビングプレジャーをもっとも感じる瞬間のひとつは、コーナーをうまく抜けたときにある。減速して荷重移動、クリッピングポイントを通過して加速しながらコーナーをクリアする一連の動作で意のままに操ることができると、機械であるクルマと心が通う瞬間が生まれる。

 つまり、ドライビングプレジャーを想起させるデザインをジュリアは纏っている。一度でもジュリアでのドライビング体験を経験した人なら、ガレージや道端に停まっているジュリアの姿を見ただけで、きっとジュリアの麗しいハンドリングが思い出されることだろう。

 そして、まだジュリアのステアリングを握ったことのない人には、ジュリアを運転したときに味わえる人馬一体感ある濃密な時間を予感させるのだ。クルマで「走る」ことを忘れてしまった人には、あまりにも刺激の強いスタイルかもしれない。

静止した状態でも「スピード」を感じさせるボディライン

 再び、ジュリア・クアドリフォリオのドライバーズシートに身を委ねる。シートやダッシュボードに施された赤いステッチこそスポーティな雰囲気をアピールしているが、コクピットはいたってクール。スポーツセダンのハイモデルは、時には演出過多と思えるほど内外問わずスポーティさを主張するものだ。

 サーキット直結の走りを謳うクルマは、たいていが体育会系マッチョな雰囲気を強烈に周囲に発している。たとえるなら、体育会系ラグビー部。汗にまみれた無骨な男の世界。一方のジュリア・クアドリフォリオは同じ体育会系でもたとえるなら乗馬部。暑苦しさは微塵も感じられず、スマートで洗練された雰囲気。まさか、ニュルブルクリンク北コースで、量産4ドア世界最速であったなんて誰が想像するだろう。

 ステアリングホイールを例に取ってみよう。握った瞬間、ジュリア・クアドリフォリオの細身のステアリングは手のひらにピタリと収まり、なんともちょうどよい太さなのだ。しかし、たいていのスポーツモデルのステアリングは径が太いのが常である。サーキットを走るのならばそれでよいかもしれないが、一般道をドライブするには少々大仰すぎる。

 ただし、アルファロメオの本気が垣間見える部分もある。それが、コラムに固定されたかなり大きなパドルシフトだ。

 そもそも操舵角の小さいF1やレーシングカーは、ステアリング固定のパドルを採用している。その一方、WRCに参戦している車両の多くはコラム固定式を採用する傾向にある。その理由は簡単。送りハンドルやカウンターを当てながらでも、間違うことなくシフトチェンジが可能だからだ。

 この法則に則ると、ジュリア・クアドリフォリオは、その姿からも想像できたようにコーナリングマシンなのだ。カウンターを当てて走ることが前提のスポーツセダン。だからこそ、コラム固定の長大なパドルシフトを採用しているのである。

 ちなみに街中を普通に運転する場合、10時10分の位置もしくは8時20分の位置でステアリングを握って運転しても、すぐにパドルに手が届き操作しやすいという利点もある。

 インテリアは、ドライバーオリエンテッドだった「156」や「159」に比べると、いささか落ち着いた印象のデザインだ。必要最低限の数しかない各種コントローラーやスイッチ、エアコン吹出口などは真円のデザインに統一され、手が届きやすく使いやすい位置に配置されたそれらのスイッチ類は、直感的に使用できる。ジュリアのコクピットは、いわばユニバーサルなデザインに仕立てられているのだ。

 ダッシュボード中央の8.8インチセンターディスプレイは、ダッシュボードのなだらかな曲線にうまく溶け込んでおり、主張しすぎない点もいい。純正のナビゲーションは搭載されていないが、AppleCarPlayやAndroidAutoに対応しているスマートフォンなどと接続すれば、8.8インチセンターディスプレイにナビ画面を映し、音声認識やロータリーバッドで操作できる。

 実際にiPhoneをつないで、AppleCarPlayでサイクリングの際に使用しているナビを起動してみたが、使い慣れていることもあり、まったく不便に感じるシーンはなかった。音声認識で簡単に目的地を検索できる機能は、iPhoneで普段使っているのと同じ要領であるので、さらに親近感を抱いたせいかもしれない。

スポーティすぎないスマートで洗練された雰囲気のコクピット

 ステアリングのちょうど8時の位置あたりにある、真っ赤なボタンを押してエンジンを始動させる。メーターパネルは、左にタコメーター、右にスピードメーターが配されており、どちらも「0」が真下にくる目盛りだ。

 タコメーターの針が一瞬跳ね上がり、1000回転あたりで落ち着く。アルファロメオ特有の硬質なエキゾーストサウンドを後方に感じつつ、再びジュリアを発進させる。サウンドは、しっかりと遮音されているけれども心地よさだけが微かに伝わるように、実によくチューニングされている。リアシートに人を乗せることがあったとしても、不快に感じることはないだろう。

まるでトスカーナ料理。素材の良さを活かしたジュリアの味付け

 台場から一般道でレインボーブリッジへ。センターコンソールにあるダイヤルで、DNAドライブモードを再び「DYNAMIC」にセレクト。するとALFAシャシードメインコントロール(CDC)との連携により、瞬時にドライビングモードがストリートで最高にスポーティな仕様に切り替わる。エンジンのインジェクションマップの変更によりアクセルレスポンスも高くなるほか、サスペンションの応答性やハンドリングが向上するためだ。

深夜にふと、ドライブに出かけたくなるような魅力をもったアルファロメオ「ジュリア・クアドリフォリオ」

 DNAドライブモードを市街地や高速道路で最適な「NATURAL」モードに設定して走るときはもちろんのこと、よりスポーティな「DYNAMIC」モードを選んでも、ジュリア・クアドリフォリオは、ドライバーとの距離を力技で詰めてくるようなことは一切ない。あくまでもクールで一定の節度がキープされている。

 スポーツセダンとして日本でも人気を博したアルファロメオ156をドライブしたことのある人なら、ジュリアは淡白すぎると感じてしまうだろう。156は、エキゾーストノートやルックスでアルファロメオのレーシーな伝統を表現していた、と、今なら断言することができる。濃厚なソースで味付けされ、カラフルに盛り付けられたフレンチ料理とでもいおうか。

 156は、フロントにエンジンを横置きしたFFベース。このスポーツセダンとしての致命的な素性の欠陥を隠すために、アルファロメオの名に恥じないようサウンドとデザインを過剰に味付けしていたのだ。

 ジュリアはフロントにエンジンを縦置きしたFRがベースとなっている。しかも用意周到に前後重量配分を50:50とし、理想のボディバランスまで実現した。スポーツセダンとしての素性のよさは、推して知るべしだ。

 アルファロメオは、現代のジュリアでスポーツセダンの原点に立ち還った。だからこそ、「ジュリア」というネーミングを復活させたのだろう。

 156をフレンチ料理にたとえるなら、ジュリアは、シンプルな味付けで素材の良さを最大限に活かすイタリア・トスカーナ料理といったところか。そもそもの素材が優れているからこそ、控え目なエキゾーストサウンド(車外で聞くと、それなりに迫力はある)やコクピットのデザインであっても、本物の「走りの歓び」を知る玄人には認められるのだ。

テールライトはLEDを採用している

 芝浦料金所から再び、首都高速にあがる。ただし、横羽線で横浜方面へと向かうのではなく、Uターンして走り慣れた都心環状線──C1へとジュリア・クアドリフォリオの舵を切った。深夜のC1をひと周り走らせて帰るのも悪くない。

 510馬力ものパワーを秘めたジュリア・クアドリフォリオだが、あり余るパワーがもたらす危うさは微塵も伝わってこない。それどころか、フロント/ダブルウィッシュボーン、リア/マルチリンクのサスペンションは、ALFAアクティブサスペンションによって「DYNAMIC」モードに最適なレスポンスへと切り替えられていて、後輪がしっかりと接地している確かな感覚と、麗しいステアリングフィールの手応えが感じられる。

 もちろん、C1のステージでジュリア・クアドリフォリオのポテンシャルのすべてを味わえるわけではない。しかし、トンネル内に谺するエキゾーストサウンドに包まれながらコーナーを抜けていくときの爽快さは、誰もが享受できる至福の瞬間といっていい。

 日常で使用するパートナーとして過不足なく、それでいていつでもドライビングプレジャーを満喫したい人にとって、スポーツセダン以上のカテゴリーがあるだろうか。問題なく後席に大人を乗車することができ、ゴルフバッグなどの荷物を積載できるラゲッジスペースを備え、スポーツドライビングを味わえるクルマなど、そうそうあるものではない。

 加えて、人と同じありふれたものではないアピアランスを求めるなら、アルファロメオ・ジュリアは最適解のひとつだ。

街路灯に照らされたジュリアのボディは、自然光の下で見るよりも肉感的に見える

 ただし、ジュリア・クアドリフォリオほどのパワーを求めていないという人もいるだろう。そうした人たちには、2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した200馬力/330Nm仕様の「2.0ターボ」と「2.0ターボ・スーパー」、280馬力/400Nmの「2.0ターボ・ヴェローチェ」が用意されている。

 また、2.2リッター直列4気筒ターボエンジンのディーゼル仕様もラインナップされている。WLTCモードで17.2km/Lを誇り、長距離を頻繁にドライブする人には、こちらのほうが経済的だ。

 さらに2.0ターボ・ヴェローチェには、後輪駆動のほかに4輪駆動もラインナップされており、スポーツセダンを求めるあらゆる人の要望に応えてくれる。

 アルファロメオは、ジュリアでスポーツセダンの原点に立ち還った。走りを忘れた大人たちは、もう一度ジュリアで、クルマで走る歓びを味わってみようではないか。

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●アルファロメオ・ジュリア2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ
・車両価格(消費税込):1153万円
・全長:4635mm
・全幅:1865mm
・全高:1435mm
・ホイールベース:2820mm
・車両重量:1710kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHC 24バルブ インタークーラー付ツインターボ
・排気量:2891cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:510馬力/6500rpm
・最大トルク:600Nm/2500rpm
・0-100km/h:3.9秒
・最高速度:307km/h
・燃料タンク容量:58リッター
・ラゲッジルーム容量:480リッター
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)245/35ZR19、(後)285/30ZR19

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