VAGUE(ヴァーグ)

木材以外の素材にも深いこだわりを持つベントレー

 布地への回帰

 1920年代から1930年代は、インテリアの素材としてレザーの代わりに布地が使用されることも珍しくはなかった。しかしそれ以来、EXP 100 GTが作られるまでの期間は、布地のインテリアはエリザベス女王のステートリムジンに使用された以外は、マリナーがビスポークで手掛けるのみとなっていた。

 このコンセプトカーのドアパネル用の美しいコットンダマスクを製作したのは、100年以上の歴史を持つ英国の織物メーカーであるGainsborough社だ。綿の染料を使用することで、洗練された濃淡の美しいオンブレのグラデーションとなり、まるでテキスタイルが隣のウッドパネルにシームレスに流れ込むように見え、調和のとれた雰囲気を醸し出している。

 また、ロンドンで250年以上の歴史を持つハンド&ロック社とのコラボレーションも実現。ハンド&ロック社は14世紀に生まれたといわれるトラプント法を用い、インテリアに快適さと深みを提供するモダンな起毛キルティングを製作した。

 なお、EXP 100 GTから強い影響を受けているマリナーのバカラルにも、天然ウールの素材が使われている。

 しなやかなレザー

 ベントレーの洗練された快適さは、キャビン全体に使用されている高品質レザーがあってこそ感じられるものである。これは、レザーがクルー工場に到着するはるか前からおこなわれているプロセスによって実現している。

 最も根本的なところでは、シミなどの原因となる虫刺されのリスクを減らすため、北欧の高地で放牧された雄牛のみを使用している点が挙げられる。その後、特殊ななめし加工がおこなわれ、レザーはクラシックベントレーの内装を思わせる天然の香りを保つことが可能(ベントレーではレザーの香りも重視している)となる。弾力性に優れた天然レザーの一部は、シートなどのカーブした部分に使用され、キャビンのあらゆる部分で理想的な仕上がりを実現しているのだ。

  • インテリアの素材として使用されるレザー

 EXP 100 GTの美しさと柔らかさ

 EXP 100 GTでは、高品質のレザーを継続的に使用し、革新的な新しい仕上げ方法を加えることで、未来のグランドツアラーをより良くするために、レザーをどのように使用するかを探求した。

 シートには、スコティッシュ・レザー・グループの協力のもと、ソフトで手触りの良いアニリンレザーを採用。表面を均一にせずに着色し、レザーの自然な欠点をあえて活かすようにして質感を高めている。

 ドアには同じスコットランドのレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社とのコラボレーションで、メタリック仕上げの非常にソフトなヌバックレザーが使用されている。革新的なハンドスプレー工程により、銅色の表面が周囲の曲線を描く金属にシームレスに溶け込み、手作業でバフをかけることでその下にあるレザーの美しさが浮き彫りになっている。

 未来の素材

 ベントレー・モーターズが2世紀目を迎えるにあたり、高品質で持続可能な素材を調達するというコミットメントは、さらに強いものとなっている。

 今後もベントレーが誇る上質なレザーやウッド、メタルに革新的な新素材や仕上げ方法を組み合わせることで、静かな空間に洗練された快適性を提供するラグジュアリーグランドツアラーが生み出されていくだろう。

※ ※ ※

 ベントレー・モーターズは、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止すべく、クルー工場にある3Dプリンター設備を活用してフェイスシールドを製造し、NHS(英国の国 民健康保険)に提供した。

 ベントレーと社会との関わり方は変化していくが、ベントレー・モーターズがベントレー・モーターズであることは決して変わることはない。地域や医療関係者への協力を惜しまずに、この危機を乗り越えていく考えだ。

Gallery【画像】ベントレーのDNAを構成するラグジュアリーな素材を見る(12枚)

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