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黄金期のストラディヴァリウスがオークションに登場! 10億円以上で世界中の誰もがオーナーになれるめったにないチャンス到来

ストラディヴァリウスの「ダ・ヴィンチ」とは

 ストラディヴァリウスは、アントニオ・ストラディヴァリ氏によってつくられた弦楽器で、約300年前の17世紀から18世紀にかけて制作されたにもかかわらず、現在も演奏できる楽器であり、美術品でもある希少な存在。

 現存しているヴァイオリンは、約500挺で、個人所有のものもあるが、多くは財団などが所有し、有望な演奏家に貸与して後世へと引き継がれていくよう管理されている。そのため、パブリックなオークションに登場するのは、かなりレアケースということになる。しかも、今回オークションにかけられる「ダ・ヴィンチ」は、ストラディヴァリの制作人生の中でもっとも成熟した時代といわれる黄金期である1714年に制作された逸品だ。

「ダ・ヴィンチ」という名称は、20世紀のパリの最大楽器商社のひとつ、カレッサ&フランセが発行した証明書に記実に基づいたものだ。また、1714年に制作されたとわかる内側のラベルも確認でき、歴代の所有者もしっかりトレーサビリティできる。この「ダ・ヴィンチ」が前回オークションにかけられたのは、1974年ロンドンのサザビーズで、現在は、日本のコレクターが所有している。

 この「ダ・ヴィンチ」を40年にわたり所有していたことで知られるヴァイオリン奏者トーシャ・ザイデル氏は、「オズの魔法使い」の劇中で演奏しているのだそうだ。あの『Over the Rainbow』のヴァインリンの音色は、「ダ・ヴィンチ」ということだ。

f字孔から覗き込むと300年前のラベルも確認できる(C)林ゆり
f字孔から覗き込むと300年前のラベルも確認できる(C)林ゆり

●オークションプレビューでは、三浦文彰氏が試奏

 現存するストラディヴァリウスのなかでも特別といわれる「ダ・ヴィンチ」の音色をオークション前にお披露目するということで、都内で開催されたオークションプレビューでは、現オーナーから「ダ・ヴィンチ」を託されている日本ヴァイオリン代表取締役社長の中澤創太氏から説明があったのち、その音色も披露された。

 演奏ではなく、プレビューなので試奏とのことだったが、演奏者は、三浦文彰氏。史上最年少の16歳で世界最難関といわれるハノーファー国際コンクールで優勝し国際的に脚光を浴び、NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ音楽の演奏や、TBS情熱大陸への出演も話題になったヴァイオリニスト。ストラディヴァリウスを貸与され、演奏活動をおこなっているこれからも楽しみな演奏家のひとりだ。

 楽曲は、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのための第3番第3楽章が演奏された。聴いたことがあるクラシックなどに取り上げられる曲で馴染みがあるとはいえ、コンサートホールではなくホテルの宴会場の1室、演奏者まで3メートルほどの距離で、ストラディヴァリウスの音色が聴けるとは思わなかった。のびやかで重厚感があり、三浦氏のパワフルな演奏にカラダが震えた。

 演奏を終えた三浦氏は、「ストラディヴァリウスらしい輝きとパワーがありますね。世界のどこのコンサートホールでも、伸びがあって、ビーンという感じで音を届けてくれると思います」とのこと。

 今までに手にしたストラディヴァリウスは、70挺をこえるという中澤氏は、「パワーと重厚感と色気があります。いいオーナーさんにわたって、次のいい音楽家に引き継いでもらいたいです」と、思いを語った。

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