発売から1年。人気のFRスポーツカー トヨタ「スープラ」のベストグレードは?

2019年5月、17年ぶりに復活して話題となったトヨタ「スープラ」。あの発売から1年、あらためて「RZ」「SZ-R」「SZ」の3グレードに乗ってみた。それぞれ馬力の異なる、個性のある3グレードだが、どのモデルがおすすめなのか考えてみた。

ショートホイールベースの軽快感を味わえる4気筒モデル

 唯一異なるのは、アダプティブダンパーが未装着な上、SZの17インチタイヤだけはランフラットを採用し、街乗りレベルでは足元の動きがややもの足りない。

 ワインディングでは適度な滑り感を伴うなど、限界領域のコントロール性が魅力ではあったが、それは言い換えると限界の低さを表し、街乗りではやや接地感に乏しく、手応えが軽めなのも気になった。

トヨタ「スープラ」RZのインテリア。右ワイパーレバー/左ウインカーレバーの配置はBMW「Z4」と同じ

 このあたりはアダプティブダンパーを標準装備し、ランフラットタイヤではない18インチタイヤを履くSZ-Rがすべてを解消している。

 足元が路面をしっかりとつかみ、瞬時に振動を吸収してくれることでボディは常にフラット感を保っている。SZのように上下の動きを利用して、旋回フォームを作っていくのではなく、安定した接地感を基本とする、しっかりとした手応えをベースにノーズをインに向ける。

 リアの接地感が高いことで、アクセルを開けていけば瞬時に駆動力を発揮して旋回姿勢をキープ。アクティブデフの効果もあって、パワーをまったく無駄にしない。安定感の高さに違いがあった。

 エンジンフィールも4000rpmあたりまでが肉厚となり、ズシリとした加速感を味わえる。4気筒エンジンということもあり、前後の重量バランスの良さと力強さとの組み合わせは、理想的なパッケージングである。

 最上級グレードのRZは、フロントの重さからかステアリングの手応えは重めで、動きはややマイルド。だからこそワインディングでも安心感がある。

 387ps・500Nmを発生する3リッター直列6気筒ターボエンジンは、2リッター直4ターボモデルに比較すると怒濤のトルク感といった印象で、なおかつ伸びがある。どこから踏んでも力強い加速感が得られることと、落ち着いたハンドリングとのバランスは絶妙だ。

 普通に走行しているぶんには、穏やかさを見せて高速クルージングを楽しませてくれる一方、ワインディングなどでペースを上げていくと、アクティブデフや19インチタイヤとの組みあわせによって、時にリアの動きが敏感に感じられるなど、ショートホイールベース&大パワーならではの牙をのぞかせる。

 プロドライバーが本格的に攻め込むならば、調教のし甲斐があって楽しいかもしれないが、普通の人にとってはちょっと手にあまる。

 個人的には今回、スープラの3グレードを乗り比べてみて、もっとも限界付近の動きが穏やかなSZが、ショートホイールベースの良さを身近に感じとることができた。

 サスペンションやパワーユニットこそ違いはあるけれど、基本的にはRZのパワーをしっかりと受け止めるシャシは全車共通。高いGまで音をあげない基本骨格に軽い4気筒エンジン搭載は、重量バランスに優れた贅沢なパッケージングといえる。最上級グレードよりも200万円安いプライスはお値打ちだ。

 それでももっと身近に切れ味がほしいなら、パワーと足元を締め上げたSZ-Rを選ぶと良いだろう。これなら誰が乗っても一体感ある走りがすぐ体感できるはずだ。スープラは伝統の6気筒エンジンじゃなきゃダメ、という人以外は、4気筒モデルをぜひお勧めしたい。

トヨタ「スープラ」のエントリーモデルがRZグレード
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