2台に1台が豊橋にやって来る!? なぜ愛知県豊橋市は「輸入車の聖地」と呼ばれるようになったのか

東京と大阪の真ん中あたりに位置する愛知県豊橋市。人口約38万人の中規模都市だが、日本のゲートウェイ(玄関口)としてトヨタやスズキ、三菱のクルマがここから輸出されるほか、フォルクスワーゲングループやボルボ、プジョー・シトロエン、FCAグループ、メルセデス・ベンツなど世界各国からクルマが輸入されていて、日本を走る輸入車の2台に1台が豊橋に入ってくるという。なぜ豊橋は「輸入車の聖地」といわれるような街になったのか。

日本の中央に位置するという場所的な利便性の高さ

 ところで、フォルクスワーゲングループジャパンだけでなく、他の輸入車ブランドも三河港を拠点にしている。メルセデス・ベンツ日本もそうだ。

愛知県豊橋市にあるメルセデス・ベンツ日本の豊橋新車整備センター

 同社は1990年から三河港も拠点にしており、当時は「候補地を選定しているなかで、日本の中央に位置し東名高速道路などへの便利なアクセスなど、物流拠点として優れた立地であり、また行政による積極的なインフラの整備もあったことで拠点に選んだ」(メルセデス・ベンツ日本広報部)と、やはりアクセスが良いことで他の輸入車ブランド同様、三河港を選んだという。

 こういった拠点は三河港だけはなく、日本にはほかにも陸揚げ港として利用されている港がある。茨城県の日立港だ。

 メルセデス・ベンツ日本は三河港だけではなく、1992年から茨城県・日立港も陸揚げ拠点として利用を開始している。

 日立港にした理由だが「販売台数が大きく伸びたことで整備能力を強化するために日立港も拠点として利用し始めたという」(同)。また、各港の近くには陸揚げされた車両を検査・整備する新車整備センターも設置している。

 今では三河港と日立港を併用しているが、「首都圏を含む東日本エリアは日立港、三河港は西日本と、区分けして利用している」(同)という。

 ほかに陸揚げ拠点として、神奈川県の横浜港や千葉県の千葉港なども挙げられるが、一大拠点としてはやはり三河港が筆頭だろう。

 輸出国がドイツだと、車両は約40日間かけて専用船に積まれて日本へ到着するという。

 VWやメルセデス・ベンツ、BMWなどのドイツブランドでも、ドイツだけに工場があるわけではなく、南アフリカやオーストリアなどにも工場があるため、世界各国からこの豊橋に向けて専用船がやって来る。たとえば2019年に生産が終了したVW「ザ・ビートル」は、遠くメキシコから太平洋を超えて来ていた。

 遠くの国からやって来て、新車整備センターで厳重なチェックを通し、ようやく手元に届いた愛車だということを考えると、喜びもひとしおではないだろうか。

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