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ルックス、装備、走りのすべてが独創的なシトロエン「C4」が「SUVを名乗らない」理由とは?

モットーはどこよりも独創的であること

 2021年、日本で5800台のセールスを記録したシトロエン。そんな同ブランドにとって久しぶりとなるCセグメントのハッチバック「C4」が日本の街を走りはじめた。

「人の移動を快適にするため」というクルマの大前提をおろそかにすることなく、独創的なアイデアや技術が盛り込むことで独創性を身につけたシトロエンの新型「C4」
「人の移動を快適にするため」というクルマの大前提をおろそかにすることなく、独創的なアイデアや技術が盛り込むことで独創性を身につけたシトロエンの新型「C4」

 プジョー、シトロエン、DSオートモビルズ、オペル、ボクソールを束ねていたグループPSAと、フィアット、アバルト、アルファ ロメオ、マセラティ、ランチア、クライスラー、ジープ、ダッジ、ラム・トラックスを展開していたFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が2021年に合併。全14の自動車ブランドを束ねる多国籍メーカー・ステランティスが誕生した。

 そんなステランティスにおいて、Cセグメントのベンチマークとして君臨するフォルクスワーゲン「ゴルフ」に真っ向勝負を挑むのは、先ごろ日本に上陸したプジョー「308」だ。同じフランス車ブランドでも「どこよりも独創的であること」をモットーとするシトロエンは真正面から勝負を挑まず、“人目をひく大胆なデザイン”と“快適な乗り心地”、“先進技術の追求”によって斜めから仕掛ける戦法をとる。

 そんな彼らが同セグメントに送り込むのが、新しい「C4」だ。ゴルフや308、もっといえばメルセデス・ベンツ「Aクラス」やBMW「1シリーズ」、アウディ「A3」などとは異なり、背が高いのが特徴である(といっても全高は1530mmで、一般的な機械式立体駐車場であれば問題なく使用できる)。

 加えてC4は、ルーフが車体の後半で急傾斜する、いわゆるクーペのようなたたずまいとなる。競合各車と同じハッチバック車であることに変わりはないが、見るからに他とは一線を画すフォルムである。

 その上C4のロードクリアランスは、弟分であるSUVの「C3エアクロスSUV」(160mm)よりも大きい170mmが確保されている。ちなみに308のそれは130mmなので、C4はCセグメントハッチバックの王道モデルと比べ、路面とフロアとの間に40mmもの余裕があることになる。

ロードクリアランスは「C3エアクロスSUV」よりも大きい170mmを確保。Cセグメントハッチバックの王道モデルと比べて路面とフロアとの間に余裕がある
ロードクリアランスは「C3エアクロスSUV」よりも大きい170mmを確保。Cセグメントハッチバックの王道モデルと比べて路面とフロアとの間に余裕がある

 そのルックスから、C4は“クーペSUV”に類別されそうだが、シトロエンはC4をそのような位置づけにはしていない。それは、シトロエンが展開する「C5エアクロスSUV」やC3エアクロスSUVとは異なり、車名に“SUV”の3文字を掲げていないことからも明らかだ。

 C3エアクロスSUVよりもロードクリアランスが大きいのに、C4がSUVを名乗らない理由は、シトロエンがこのモデルを、SUVといういまやありふれたカテゴリーに埋没させたくないからだろう。SUVライクという流行りのデザインエレメントを盛り込みながら、あくまでクーペのようにスタイリッシュな存在にしたいのだ。

 それは、C4のタイヤサイズからも見て取れる。195/60R18というそれは、ひとまわりコンパクトなC3エアクロスSUV(205/60R16または215/50R17)よりも細い。転がり抵抗や空気抵抗を軽減して燃費を向上させるねらいもあるだろうが、細身のパンツを身につけるのと同様、足元を軽快かつスタイリッシュに見せるためのデザイン上のアクセントになっている。

 ちなみにシトロエンは、今後上陸すると目される新フラッグシップ「C5 X」においても、サルーンとステーションワゴンを融合したシルエットにSUVのデザインエレメントを盛り込み、独創的なルックスに仕立てている。今後しばらく、シトロエンはこうしたデザイン手法を採用していくようだ。

Nextキャビンの独創性で乗る人の快適性を追求
Gallery【画像】シトロエンの真骨頂を感じさせる新型「C4」の詳細を見る(25枚)

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