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F1からハコとバイクまで鈴鹿サーキットに集結! 「60周年ファン感謝デー」に12気筒のBMW「760Li」で向かってみた

鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーにBMW「760Li」で向かってみたら

 V12エンジンがハンドルの少し向こう、想像する位置よりもちょっと先のような気がしてならないのだが、静かに、けれどもはっきりとした存在感をもって回っている。精緻なエンジンフィールとはまさにこのことをいうのだろう。たくさんのパーツが複雑に絡み合いながら正確に動いているという感覚が手足と腰を通じて伝わってくる。

「760iL」は、最後の12気筒エンジンBMWになりそうだ。2022年で生産は終了し、次世代の7シリーズではフルEVがトップグレードになるという。静かに厳かに走ることがトップグレード・リムジーネの役目だとすればそれは必然というわけか。エンジンファンには申し訳ないけれど、どうやら時代は確実にエンジンレスへと向かっている。とくに超高級と超実用という両極の領域においては。

列をなしたGT3マシン。新型「フェアレディZ」のGT3マシンの姿も見られる(C)鈴鹿サーキット
列をなしたGT3マシン。新型「フェアレディZ」のGT3マシンの姿も見られる(C)鈴鹿サーキット

 そうはいっても12気筒エンジンのフィールはやっぱり捨てがたいものだ。最近のクルマでは運転支援システムが発達していて、運転好きの筆者でも高速道路では必ずといっていいほど活用する。例えフェラーリやランボルギーニでも車間維持クルーズコントロールが付いているモデルでは躊躇うことなく使う。BMWのサルーンであれば、即効で全ての機能を起動する。

●圧倒的滑らかさを右足で感じるBMWのV12

 ところが今回ばかりは様子が違った。クルコンオンでの走りがもったいなく思われたのだ。これで最後という思いもあったから、かもしれない。常に右足をアクセルペダルの上にかけて、その息吹を感じていたいと思った。機械任せにするのではなく……。

 足の裏で微妙な振動を感じる。バイブレーションというとどこかネガティブなイメージがあるけれど、そうではない。スムーズというとなんの抵抗もないというイメージだが、それもエンジンフィールの場合、違う。振動も何もなければそれはほとんどモーターで、なるほど行き着く先はまさに電気モーターという時代になったわけだけれど、エンジンの場合にはスムーズに感じさせるだけの振動が必要だ。心地よいざらつき、とでもいおうか。無味無臭ではつまらないが、かといって味や匂いが強すぎてもいけない。その絶妙な匙加減こそ、エンジンフィールの良し悪しを決めている。

 BMWのエンジンは、特に6気筒以上では、それがよくできている。だからシルキー6という名言も生まれた。V12はそれを2丁掛けしているわけだから、シルキーさも2倍だ。

 そんなV12エンジンのウルトラシルキーなエンジンフィールを存分に味わいつつ向かった先は、三重県鈴鹿市だった。東京から350km。順当に走れば4時間半くらいの旅程だろうか。目的地はそう、鈴鹿サーキットだ。

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