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職人による1点モノ! 「スタンゲリーニ750S」が個性的で可愛らしいデザインをしている理由とは

イタリア・モデナの職人技が光るクルマ

 スタンゲリーニは、スーパーカーの聖地であるイタリアのモデナで設立されたレーシングカーコンストラクターとして有名だ。

フィアットのエンジンをチューニングして搭載したスタンゲリーニ「750S」
フィアットのエンジンをチューニングして搭載したスタンゲリーニ「750S」

●職人の手による一点物

 創設者はヴィットリオ・スタンゲリーニ。主にレース指向の小型スポーツカー専門メーカーとして1930年代から1960年の間に数多くのレーシングモデルを生み出したコンストラクターである。

 全ての車両はスタンゲリーニの熟練工たちが手作業で作り出し、細心の注意を払い生産された。よって、1台1台が唯一無二のいい意味で個性のあるマシンであった。

 当時は、モデナには数多くのカロッツェリアがあったが、その中でもスタンゲリーニは別格的存在で、あのエンツォ・フェラーリとも深い交流があり、友好的なライバル関係にあったという記録も残っている。

 そんなヴィットリオ・スタンゲリーニが1953年式に誕生させたモデルが「750S」である。

「ミッレミリア」や「タルガ・フローリオ」といったレースに参戦し、好成績を収めるために純粋なレーシングスポーツカーとして製作されている。

 大排気量車が中心だった時代に、小排気量の軽量コンパクトなマシンを作り、運動性能をより高めて戦う。まさに、現代にも通じるレーシング思想を導入して作られたマシンだった。

 搭載するエンジンは、スタンゲリーニがもっとも得意とするフィアットのエンジンをベースにチューニング。ツインカムヘッドのデュアルサイドドラフトウェーバーキャブを備え、排気量は741ccで最高出力は60bhp(40kW)をマークした。

 この時代、スタンゲリーニ750Sはとくに多くのモデルが生み出され、ボディ形状も含めて、似た形でタイプが違うマシンが存在している。

 基本設計は同じだが、ボディカウルの形状が違ったり、ドアが付いていたり、ドアレスだったりと様々なタイプが存在している。これも競技車両としてハンドメイドゆえに、注文主によるオーダーと日々の試行錯誤から導き出された結果といえるのかもしれない。現代のような画一的な工業製品ではなく、職人の手による個性あふれる一点物なのである。

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