日本の道路事情を考慮した「エアストリーム」
コロナ禍においてアウトドアブームが続いている。なかでもクルマを使ったキャンプに注目が集まっており、キャンピング仕様に仕立てワンボックスカーやルーフテントを装着した軽自動車なども見かけるようになった。
こうしたカスタムはキャンプをさらに楽しむためのものだが、もし予算やその他あらゆる問題をクリアできるのならば、トレーラーハウスはひとつの究極のスタイルであることは間違いない。そこで、トレーラーハウスの中でも誰もが憧れるエアストリームをランドローバー「ディフェンダー110」で牽引し、素敵なアウトドアライフを実践している篠田さんの愛車とトレーラーハウスを紹介しよう。

まず最初に、エアストリームとの出会いについて篠田さんに尋ねてみた。
「コロナ禍の自粛要請で自由に旅行ができない中で、家族単位で移動できる手段としてランドローバーで牽引するトレーラーを探しました。いろんなトレーラーを検討しましたが、ちょうど結婚10周年ということもあり、妻の要望もあって高額ですがエアストリームに決めました。
家や人の人生よりもエアストリームは長持ちするというサステイナビリティみたいなところも選んだ理由です。
全幅250cmという国内で走れるギリギリのサイズで、はじめは『こんな大きいトレーラーを引っ張れるのか?』と不安でした。しかし、そもそもランドローバーを選んだ時も同じ不安があって購入したんですが、すぐにその大きさに慣れたので、エアストリームの購入を決心しました。
実は牽引免許のいらないトレーラーも当初視野に入れていたのですが、欲しいトレーラーが見つからず、そこにこだわって探すのも不自由だと思い、さっさと牽引免許を取って選択の幅を広げたのも良かったと思います。慣れる前に購入を決めるのではなく、慣れることを前提に購入して正解だったと思います。
直接カリフォルニアのオーナーから購入し、船会社を経営している友人に船の手配してもらい、横浜大黒埠頭まで運んでもらいました。1か月程度、かなり本気で勉強して車検をとおしたので、ナンバープレートが実際についた時には非常に達成感がありました」
●「エアストリーム」をランドローバー仕様に
篠田さんのエアストリームは、2019年モデルの「BAMBI 16フィート」だ。しかし、ディテールをよく見るとこだわりが随所に見受けられる。
まずリアのストップランプやウインカーランプは、先代ディフェンダーのものが装着されている。これは、ディフェンダー110で牽引することが前提なので、エアストリーム側に統一性をもたせたということである。
また、悪路で下回りを擦ってしまわないようにホイールとタイヤをインチアップして、車高を少し高めている。ブレーキは電磁ブレーキ付きで、ディフェンダー110のブレーキに連動しているという。
もっとも苦労したのは、ディフェンダーからの連動するアダプターが13ピンで、エアストリーム側はアメリカの平7ピンであったこと。ほかのクルマとの互換性も考慮して、どちらも仕様変更せずに中間の配線を加工したそうだ。また、エアストリーム内の電源はアメリカの120Vのままで、100V20Aから120V30Aへと変圧するトランスをワンオフで製作してもらったという。
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