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フェラーリを打ち負かしたフォードのヘリテージ「GT」誕生! ル・マン24時間で活躍したゴールドの「GT40 MKII」とは

フェラーリを破った栄光の時代へのオマージュ

 フォードは、2022ニューヨーク・オートショーで新たなフォード「GT」のヘリテージエディションを、1966年のル・マン24時間レースで表彰台に上がったシャシナンバー「P/1016」と並んで展示すると発表した。

 今回展示されるのは、「2022 Ford GT Holman Moody Heritage Edition」。これは、1966年のル・マン24時間レースで、1−2−3フィニッシュを飾った「GT40 MKII」をオマージュしたもので、限定車として販売される。第1号車の納車は、2022年春となる予定だ。

ホルマン・ムーディ・ヘリテージ・エディションのゴールドとレッドのテーマは、1966年のル・マンへの壮大なトリビュートとして見逃すことはできないカラーリングだ
ホルマン・ムーディ・ヘリテージ・エディションのゴールドとレッドのテーマは、1966年のル・マンへの壮大なトリビュートとして見逃すことはできないカラーリングだ

 1965年、フォードはル・マンに参戦していたホルマン・ムーディ・チームとシェルビー・アメリカンに、GT40 MKIIで栄冠をつかむための、さらなるチューニングを依頼した。そこでホルマン・ムーディは、早速テストに取り掛かる。

 1966年1月、シャシナンバーP/1016のGT40 MKIIは、ブレーキやサスペンション、タイヤのセットアップをより競争力のあるものとするために再設計し、8日間で265周以上の走行をおこなった。さらには、結果として採用されることはなかったが、当時としては革新的といっていいオートマチックトランスミッションを搭載しての走行テストもおこなっている。

 それらの努力が実を結び、1966年に1〜3位独占という結果を残すことができた。この常識にとらわれない革新の精神は、2022年型のフォードGTの開発陣にも受け継がれている。

●ゴールドとレッドの歴史的カラーリング

 今回製作されたフォードGTホルマン・ムーディ・ヘリテージ・エディションは、同氏がドライブした1966年型GT40 MKIIに施されていたゴールド&レッドのカラーリングを身にまとっている。ゼッケンは優勝マシンと同じ「5」。

 フロントスプリッターやサイドシル、ミラー、エンジンルーバー、リアディフューザーはカーボン素材が露出していて、このマシンがカーボンファイバー製ボディを採用していることをわかりやすく表現している。ホイールのサイズは20インチ。中に収められたブレンボ製ブレーキシステムは、シルバーのグラフィックを入れたブラックキャリパーを採用する。

 カーボン素材はドアシルやコンソール、レジスターなどキャビン部にも採用されており、シートもアルカンターラを表皮に採用したカーボン製だ。その上で、エンボス加工の座面とヘッドレストには、デボス加工のGTロゴがあしらわれている。

 インストルメントパネルはエボニーレザーとエボニーアルカンターラで、ピラーとヘッドライナーはエボニーアルカンターラでラッピングされている。ステアリングはエボニーアルカンターラにブラックのステッチがあしらわれ、パドルシフターはホルマン・ムーディ・ゴールド仕上げだ。

* * *

 フォードGTプログラムマネージャーのマイク・セバーソン氏は、今回のヘリテージエディションについて次のようにコメントしている。

「フォードGTヘリテージエディションの中でも、ホルマン・ムーディ・ヘリテージ・エディションのゴールドとレッドのテーマは、1966年のル・マンへの壮大なトリビュートとして見逃すことはできません。もっとも有名なフォードGT40レーシングカーにインスパイアされた、この最新のフォードGTは、ホルマン・ムーディのレースチームのノウハウと、世界の競合他社を凌駕する革新的な能力に敬意を表しています」

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