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フィアット新型「500e」に乗って分かったフェラーリ「ローマ」級の「甘い生活」の演出とは

EVとなってなぜか高級車に変身? 新型フィアット「500e」に乗ってみた

 正直にいってしまうと、2020年春にフィアット「500e」のデビューが初めて知らされた際の第一印象は、これまでの「500」のコンポーネンツを受け継いだEVバージョン? という誤解に基づくものであった。また今から10年前、2012年11月に北米ロサンゼルス・ショーで発表され、翌年から北米市場で少数が販売された同名の「500e」の存在も記憶の片隅にあったことから、そのアップデート版くらいの認識だったのだ。

スロットルペダルを踏み込んだ時の加速感は、かつて筆者が愛用していたアバルト500や「595」と同等
スロットルペダルを踏み込んだ時の加速感は、かつて筆者が愛用していたアバルト500や「595」と同等

●500のEV版ではなく、これが新型チンクエチェント

 ところが今回の国内デビューにあたってお話しを伺ったところ、新型500eは従来型からキャリーオーバーされた部位はわずか4%のみという、(ほぼ)完全なるフルモデルチェンジであることが判明。さらにいえば、この500eこそが新しい「チンクエチェント」であり、内燃機関搭載モデルやハイブリッド版が将来追加設定されることもないという。

 ところで、これまでの「チンク」といえば、筆者は2013年に「アバルト500」を入手し、それから約4年の期間と約4万kmの走行距離をともにしたことがある。

 イタリアのベーシックカーならではのチープシックな魅力は、たとえアバルトであろうとも根っこの部分では変わることなく、その愛すべきキャラクターをとても好ましくも感じていたのだが、この日初めて邂逅した新型500eは、パッと見の印象からして従来型とは「似て非なるもの」。

 瀟洒なエクステリアもさることながら、とくにインテリアの高級化はこれまでオフィシャル写真で見てきたよりも数段上のレベルと感じられる。

 上級版「Icon」とそのオープンモデル「Open」に奢られた白いレザーシートには「FIAT」のロゴがエンボスで入れられ、フレッシュながらゴージャスな雰囲気をたたえる。

 また、一部の限定バージョンをのぞく従来型500では、ボディ同色の樹脂製パネルとされてきたインストルメントパネルは、高級レザーメーカー「ボッテガ・ヴェネタ」の得意技「イントレチャート」を思わせる編み込みレザー風の仕立てとされるなど、視覚と触覚で感じられるあらゆる部位が上質なものと感じられる。

 そして、手触りの良い本革巻きステアリングを握って走らせてみたことにより、新型フィアット500eの高級感は、さらに印象づけられることになるのだ。

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