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フェラーリ入門モデル「308GTB」のFRPボディが価格上昇中! スチールボディより選ばれる理由とは

どうしてスチールではなくてFRPボディを「308GTB」に採用したのか?

 2020年6月、RMサザビーズ社がコロナ化対策のオンライン限定で開催した「THE EUROPEAN SALE」オークションでは、「featuring THE PETITJEAN COLLECTION」と銘打ち、フランスの著名コレクター、マルセル・プティジャン氏が所有するランボルギーニやポルシェを大量に出品。当時は世界的な話題を提供したことを、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれない。

 そして同じRMサザビーズ欧州本社によって、さる2022年2月に開かれた「PARIS」オークションでは、約1年半ぶりにプティジャン・コレクション第2弾が目玉とされ、こんどはフェラーリを中心とするラインナップがオークションにかけられることになった。

 今回は、このところ世界各国のフェラリスタのあいだで話題沸騰中の「296GTB」に至る「ピッコロ・フェラーリ」の成功路線を規定した名作、フェラーリ「308GTB」のファーストモデルにあたるFRPボディの最初期型と、そのオークション結果についてお話ししたい。

ピニンファリーナのデザインしたボディの架装は、当時フェラーリ社の傘下に収まったばかりのカロッツェリア・スカリエッティが担当C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
ピニンファリーナのデザインしたボディの架装は、当時フェラーリ社の傘下に収まったばかりのカロッツェリア・スカリエッティが担当C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●ピッコロ・フェラーリの隆盛を決定した傑作とは?

 昨今人気の1970ー80年代スーパーカーの中でも、フェラーリ「308GTB/GTS」が、クラシック・スーパーカー入門編として世界的に高い評価を得ていることはご存じだろう。

 1975年のパリ・サロンにて初お披露目された308GTB。その最初の数年間に生産された車両は、フェラーリ製ストラダーレ(ロードカー)としては特異なFRP製のボディを持つ。そしてこのFRP製の308GTBのことを、イタリアでは「Vetroresina(ヴェトロレズィーナ)」の愛称で呼ぶという。

「ヴェトロ」とはガラスのこと。そして「レズィーナ」はレジン、樹脂を意味する。つまりガラス繊維を樹脂で固めた「グラスファイバー(FRP)」をそのままイタリア語としたニックネームである。

 ピニンファリーナのデザインしたボディの架装は、当時フェラーリ社の傘下に収まったばかりのカロッツェリア・スカリエッティが担当することになった。ところが、当時イタリアで吹き荒れていた労働争議の影響を受けて、開発段階で使用を予定していたスチール製ボディパネルの生産が間に合わなくなる可能性が高まっていたため、発売当初はマラネッロ製ストラダーレとして初めての経験となるFRP製ボディが架装されることになったのである。

 その後、実際に308GTBの生産が軌道に乗ったのち、1977年6月以降の生産分はスチール製(開口部はアルミを併用)に置き換えられることになった。

 ちなみにスチール化された当初は、公称データの車両重量はFRP時代から不変とされていた。しかし実際にはヴェトロレズィーナに対して、スチールボディ車両は150kg~200kgほど重くなったともいわれているようだ。

 一方、ミドシップに横置きされるパワーユニットは、バンクあたりDOHCヘッドを持つ90度V8「ティーポF106A」エンジン。1973年に先行デビューしていた「ディーノ308GT4」と共用のものを、同じく横置きされた5速マニュアルのトランスミッションと組みあわせた。

 このエンジンの総排気量は2926ccとされ、4基のウェバー社製ツインチョーク式キャブレターが装着された初期のイタリア本国/EC仕様では255psのパワーを発揮。その結果として250km/h級の最高速度を達成し、「ピッコロ・フェラーリ」と呼ばれながらも侮れないスーパーカーとなっていたのだ。

NextFRPボディのフェラーリ308GTB人気は、依然として高いのか?
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