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いまこそV8の味わいをナチュラルに堪能したい! ジャガー「XK8」の麗しポイントとは【旧車試乗】

クラシカルで優美なスタイルが、いまこそ輝くジャガー「XK8」

 1975年のデビュー以来、実に21年が経過していた超ロングセラー「XJS」に代わり、1996年10月に登場したのが、4リッターの新型V8エンジンを搭載した新世代のジャガー・スポーツたる「XK8」。そのボディスタイルには、自動車史上に冠たる名車「ジャガーEタイプ」の影響がありありと見て取れる。

 これは、当時の親会社であった米フォードの意向を受けて、レトロ調のスタイリングを推し進めていたジャガーのデザイン哲学に従ったものとされており、最重要マーケットである北米を中心に、その美しさは高い評価を受けることになる。ボディタイプはクーペとコンバーチブルが選択できたが、今なおいずれ劣らず魅力的なものと映る。

古典的な内燃機関の味わいをナチュラルに堪能できるジャガー「XK8」
古典的な内燃機関の味わいをナチュラルに堪能できるジャガー「XK8」

●ジャガーのスポーツモデル史上、もっとも成功したモデルのひとつ

 シャシは、2590mmのホイールベースが示すとおり、XJSのそれをキャリーオーバーしたもの。したがってサスペンションは前ダブルウイッシュボーン/後ウイッシュボーンという、もとをただせば1968年デビューの初代「XJ6」から連綿と使用されてきた様式が採用されている。

 ただしXJSまではリアのショックアブソーバーが二連式とされていたのが、XK8では現代的なシングルに改められるなど、時代に即した大幅な改良も加えられていた。

 一方、完全新設計のV8エンジンは、1983年の発表以後、13年にも亘ってジャガーの主力エンジンとして君臨した「AJ6/AJ16」型直列6気筒ユニット、および伝統のV12ユニットを統合して継承するかたちとなった。ヘッドは現代的なDOHC4バルブである。

 そして、旧き良きXKエンジンはXK120。V12はEタイプ。そしてAJ6はXJ-S 3.6とともにデビューしたように、このV8ユニットも先ずは生産台数の少ないスポーツカーで市場反応を確かめた上で、本流のサルーン(この場合ではX308系XJ8)に搭載した。その歴史を踏まえて考えれば、ジャガーの伝統に則ったエンジンともいえよう。

 総排気量は3996ccで、最高出力は自然吸気版でもXJSの12気筒版を凌駕する294ps。1999年2月に追加されたスーパーチャージャー版では375psを発生し、1980-90年代のジャガーの象徴ともいうべき「Jゲート」を持つ、独ZF社製の5速オートマティック変速機と組み合わされていた。

 2002年11月には、XK8シリーズ10年の生産期間中でも最も重要なマイナーチェンジが施されることになる。V8エンジンの排気量は4196ccへと引き上げられ、NA版で304ps、スーパーチャージャー版では406psに向上を図るとともに、変速機も前期型の5速ATから6速ATへと進化を果たした。

 そして後継車「XK」にあとを譲り、2006年に生産を終えるまでの10年間で、21年間も作られたXJ-S/XJSの11万5000台に次ぐ9万台以上を生産。ジャガーのスポーツモデル史上、もっとも成功したモデルのひとつとなったのである。

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