ひと昔前には考えられなかった高度なシステム
2021年10月末の先行受注スタート以来、好調なセールスがつづく三菱「アウトランダーPHEV」。そんな人気のPHEV(プラグインハイブリッドカー)を雪道でドライブし、その実力をチェックする機会を得た。
今回、雪国へと足を伸ばした理由は、すべりやすい路面における走行フィールを確かめるため。雪上や凍結路などすべりやすい路面ではクルマの運動性能があらわになりやすく、クルマの真の実力やポテンシャルがより鮮明に見えてくる。

アウトランダーPHEVで注目すべきは、やはりパワートレインだ。高速でクルージングしているときなど一部領域を除き、このモデルは100%、モーターで駆動力を生み出している。
駆動方式は、前後にそれぞれモーターを配したツインモーター4WD。そのため、前後輪はプロペラシャフトで機械的につながっておらず、電気の力だけで駆動力をコントロールしている。ほんの十数年前には考えられなかった非常に高度なシステムだ。
ツインモーター4WDという仕組み自体は、近年、ライバルも採用を進めているが、アウトランダーPHEVがユニークなのは、前輪用モーターよりも後輪モーターの方が強力だということ。エンジンを横向きに搭載した前輪駆動ベースのプラットフォームを採用しながら、フロントモーターは116ps、リアモーターは136psと、後者の方が17%ほど強力。この出力差を活かし、後輪駆動車を思わせるコーナリングフィールを身に着けている。

しかもアウトランダーPHEVは、PHEV=エコカーという概念を覆すほど速い。前後モーターを合わせた最高出力は約250psで、同最大トルクは450Nm(前輪用モーター=255Nm/後輪用モーター=195Nm)と、4.5リッターの自然吸気エンジンに匹敵。しかもモーター駆動車らしく、アクセルペダルを踏んだ瞬間からそれらをフルに発生させるのだから、車重が2トンを超える重量級とはいえ、走りの力強さは推して知るべしだ。
PHEVのなかには燃費重視のモデルも少なくないが、アウトランダーPHEVはエコ性能と動力性能を両立している。
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