公式YouTubeチャンネルで「M3ツーリング」の存在が明らかになった!
BMWやBMW Mの公式YouTubeチャンネルでは、ドリフト走行や市街地でのスピード超過シーン(もちろん閉鎖して)などを含む、現代のコンプライアンス的にテレビコマーシャルとしては放映できない、BMWらしさ満点のプロモーション映像が公開されている。
ドリフト講座やローンチコントロールの使い方、過去のコンセプトカーを解説するなど、面白いコンテンツが豊富にアップされており、BMWファンには見逃せない動画が用意されている。
そんな公式YouTubeにおいて、2022年3月にBMWは記事やニュースレターに先駆けて、長らく噂されていたM3ツーリングの姿を明らかにした。

●E46M3のツーリングが市販化されなかった理由とは
3月8日公開の動画「ICONIC PACK」は、「M3セダン」や「M4」などのMモデルが集結し、雪道を限界走行するシーンで構成されている。しかし、そのまま見続けていくと、いかにも終わります的なシーンに入るが、動画は終了することなく、突然、背後から「M3ツーリング」が「待たせたぜ!」とばかりに姿を見せる。3月15日公開の動画では、M3ツーリングの全体像(カモフラージュはあるが)と、Mモデルの試作車開発・製造の責任者であるハンス・ラーン氏が登場。予告無しで公開された2本の焦らし動画で、BMWファンのテンションは最高潮なことだろう。
動画では、なぜ今までM3ツーリングが市販化されなかったのかを解説している。ラーン氏によると「過去にE46型M3(動画内に登場)などで実際にツーリングのコンセプトカーを制作し、長い期間にわたって市販化を検討していたが、採算の取れる見込みがなく断念していた」という。
よくよく考えてみると、E46型M3はクーペとカブリオレのみをラインナップし、4ドアモデルは存在しない。当然、利便性を求めるワゴンボディでは3ドアなど許されるわけもなく、5ドアへと改修する必要があった。しかし、それをおこなうほどのリソースを割くことができなかったのでは? と予想できる。
ただし、動画に登場するコンセプトカーの完成度は、市販化しようと思えば可能だったと思われるほど高い。E46型M3が、最初からツーリングをラインナップできるよう設計されていた、といわれても信じてしまいそうな出来だ。
すでに時代はステーションワゴンではなくSUVが主役となっているが、アウディは、RSシリーズのアバントで爆速ワゴンに需要があることを証明している。加えて、BMWユーザーからM3ツーリングを求める声が、長年にわたって上がっていたこと、クーペやセダン以外の高性能モデルの需要が高まったことも、M3ツーリング市販化のきっかけになったのかもしれない。
スペックはまだ公開されていないが、エンジンは直6ターボで8速トルコン式ATが組み合わされる点はM3セダンと変わらないだろう。ちなみに、動画の説明欄にはM3とM4の環境性能が記載されているのだが、他のモデルが標準、コンペティション、コンペティションxDriveの3グレードが記載されているのに対し、M3ツーリングは1グレードしか書かれていない。つまり、駆動方式やエンジンは1種類のみになるかもしれない。ワゴンボディは、サーキット走行よりも日常ユースを重視する、と考えると、駆動方式はxDrive(4WD)オンリーと考えるのが妥当だろう。
実はBMW Mは、E34とE60の5シリーズに「M5ツーリング」をラインナップしていた(日本未導入)ことがある。当時商業的には失敗したが、自動車を取り巻く環境が大きく変わった現在、M3ツーリングは果たしてどれほど売れるのか、目が離せない。
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