0-100加速はスーパーカー並みの「羊の皮を被った狼」
メルセデス・チューナー、否、国から認可を受けた独立した自動車メーカーともいえるブラバスが、その象徴ともいえる「900」シリーズを2022年モデルに進化させた。
いわゆる高性能車の歴史の中で、「羊の皮を被った狼」と呼ばれたモデルは、これまでにも数多く存在するが、このフォーマルなスタイルのメルセデス・ベンツ「Eクラス」をベースとする新型900などは、まさにその象徴ともいえる存在だろう。

●見た目はただのセダンなのにスーパーカー並みの速さ
2022年モデルのEクラスベースの「ブラバス900」に搭載されるエンジンは、4.5リッターに排気量を拡大し、専用のツインターボシステムが特徴である。
最高出力は車名が物語るとおり900ps、最大トルクは1250Nmを可能とするが、Eクラスに搭載される際には1050Nmに制限される。駆動方式は、ベースのメルセデスAMG「E63S 4MATIC+」と同じく、常時最適な前後駆動力配分を実現する4WDだ。
それによって高速域でも圧倒的な安定感を得るほか、静止状態から時速100km/hまでの加速はわずか2.8秒。さらに発進から23.9秒後に到達する最高速は、タイヤを保護するために電子制御で制限された330km/hという。一見すると普通のセダンであるので、スーパーカー並みの運動性能を誇るモデルだとだれが想像し得ようか。
この運動性能を実現するために、ブラバスのデザインチームとエンジニアリングチームは、最適なエアロダイナミクスを生み出すため、最新の設備で風洞実験を繰り返した。
より大きなダウンフォースを生み出すためのカーボン製エアロダイナミクス強化パーツは、このプロセスから誕生したもので、Eクラスのオリジナルボディとのフィッティングも実に巧みだ。
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