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本物の「バットモービル」が3400万円で落札! ド派手エアロのBMW「3.0CSL」はどうして生まれた?

BMWコレクターが必ず欲しがる「バットモービル」とは

 BMW「3.0CSL」は、ご存知のとおりBMWがヨーロッパツーリングカー選手権やアメリカのIMSAキャメルGTシリーズなどのレースで勝利するために製作した、ホモロゲーションモデルだ。

 ベースとなっているのは、1971年に発売された「3.0CS」。3.0CSのボンネットやドアなどをアルミ製とし、ボディに使われている鋼板も薄板化。さらにはガラスも薄いものに置き換えるなどしたことで、車両重量を200kg軽量化している。CSLとは、「クーペ・スポーツ・ライト」の頭文字からとられたものだ。

バットモービルのボディカラーは、シルバーやホワイトはよく見かけるが、この鮮やかなタイガメタリックは珍しい(C)2022 Courtesy of RM Sotheby's
バットモービルのボディカラーは、シルバーやホワイトはよく見かけるが、この鮮やかなタイガメタリックは珍しい(C)2022 Courtesy of RM Sotheby's

 この3.0CSLは、大きくわけると3世代のモデルが存在する。第1世代は排気量を当時の規定に基づき、3003ccとしたもの。第2世代といえるのが排気量を3153ccとし、空力特性を考慮してデザインされたエアロパーツを取り付けた、通称「バットモービル」といわれるもの。そして第3世代といえるのが、リアにオーバーフェンダーを装備し、リアウイングを廃してトランクスポイラーを装備したものだ。

 シリーズ2の3.0CSLは57台が生産された。今回紹介するのは、その中の1台、#49となる車両だ。この個体はドイツ・バイエルン州メミンゲンにある、Höss BMWに、1975年6月5日に納車された。タイガメタリックとブラックのボディカラーは、新車当時と同じものだ。

●ホイールはアルピナ純正に交換

 その数年後、この個体はアメリカ・ニュージャージー州のRobert Picut氏に売却され、長くアメリカで保管されていたが、1992年にBMW CSL CLUBの創設者であり、会長でもあるMarco Kögel氏に売却された。

 Marco Kögel氏は購入後、この個体に徹底的なレストアを施し、2004年にフランスのBMW愛好家に売却。その後、2009年にイギリスの愛好家が購入し、さらに2012年にアメリカの愛好家が購入してからは、現在までアメリカで保管されている。

 そのアメリカの愛好家はこの3.0CSLを購入してから、正規品である14インチのアルピナ製ホイールを手に入れて装着。当時アルピナ製ホイールへ交換することはBMWカスタムの定番メニューであったが、鮮やかなグリーンのこの個体ならばさらにアルピナのホイールが似合う。また現在はまだ取り付けてはいないが、リアウイング用のセンターサポートも取り揃えられている。

 シャイール製のスポーツシートやパワーステアリング、電動リアウインドウといった当時のオプションも装備され、エンジンは新車当時の記録と同じものが搭載されているというこの個体、29万1000ドル(邦貨換算約3400万円)での落札となった。

 エスティメートが32万5000〜37万5000ドル(邦貨換算約3800万〜4400万円)であったことを考えると、若干安めでの落札ということになる。オリジナルの状態を高いレベルで保っているということも含めて、落札した人は幸運だったといえるだろう。

Gallery【画像】世界一美しいクーペの先祖「3.0CSL」を見る(29枚)

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