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自由とピースの象徴「ワーゲンバス」がEVになって世界に愛を届ける! VW新型「ID.Buzz/ID.Cargo」発表

BEVになったワーゲンバスは乗用車と商用車の2タイプ

 フォルクスワーゲンは2022年3月9日、BEVとして開発されたワンボックスカー「ID.Buzz」と「ID.Cargo」を発表した。デザインのモチーフとなっているのは、1950年代にフォルクスワーゲンのアイコンであった「T1(タイプ2)」だが、現代のテクノロジーを活かしたボディの設計により、空気抵抗は乗用車レベルに抑えられている。この「カタチは機能に従う」というコンセプトも、T1から受け継がれたものだ。

自由の象徴であったワーゲンバスが、BEVになって現代に蘇った
自由の象徴であったワーゲンバスが、BEVになって現代に蘇った

 乗用車タイプのID.Buzzと、商用車タイプのID.Cargoは、ともにフォルクスワーゲングループのモジュール式電気駆動キット、MBEをベースとしている。ID.Buzzは5人が乗れるスペースと、1121リッターのカーゴスペース(セカンドシートを倒した場合は2205リッター)をもち、ID.Cargoはユーロパレット2台分の荷室スペースを確保している。

●初代ワーゲンバス「T1」のDNAを受け継ぐ

 パワーユニットは、リアアクスルに搭載。出力は150kWと発表されている。最高速度はリミッターにより、145km/hに抑えられている。リチウムイオンバッテリー容量は77kWh(総エネルギー容量は82kWh)で、サンドイッチフロアに搭載されていることで重量バランスがよく、重心も低いため、優れたハンドリング性能に寄与している。

 充電に必要となる時間は、DC(直流)急速充電器のCCSプラグコネクターを利用すれば、残量5%から80%まで約30分とのこと。もちろん、交流の公共充電ステーションを利用しての充電も可能となっているほか、専用のDC双方向ウォールボックスを利用すれば、ID.Buzzのバッテリーからホームネットワークに電源を供給する、V2C(Vehicle to home)も可能だ。

 ボディサイズは、全長はどちらも4712mmとなっているが、ホイールベースは2988mmと長いため広い車内空間を実現している。これこそがBEV化の最大の特長となっている。

「1950年代のアイコンであったT1は、人々に移動と自由をもたらしました。T1は、フロントアクスルの上に座っているようなもので、フロントオーバーハングがありません。そしてID.Buzzは、これにならって超ショート・オーバーハングとなっています。時代を超越し、サステイナブルでありながら、非常に機能的なクルマ、それがID.Buzzなのです」

 そう語るのは、フォルクスワーゲン・デザイン部門の責任者ヨゼフ・カバニ氏だ。

 ちなみに、全幅は1985mm、全高は1937/1938mmとなっているが、最小回転半径は5.55mと、ボディサイズに比して小さい。これを実現したハンドル切れ角の大きさも、リアマウント・リア駆動のBEVだからこそ実現できたものといえるだろう。

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