BMW「8シリーズ」の中古価格に異変あり! 「850CSi」にいたっては2500万円オーバーに!!
「8シリーズ」が新車時よりも高くなった理由とは
そんな850CSiの、シリアルナンバー「00001」という車両が、RMサザビーズオークションに出品された。この個体はアメリカ仕様車として、1993年6月24日に生産されたものだが、展示車として工場で保管されていた。
アメリカ市場向けのモデルとしては唯一のブリリアントレッドメタリック+ブラックナッパレザー仕上げとなっていて、1994年3月にBMWマンハッタンに納車。1994年11月まで、BMW of North Americaで展示されていたそうだ。
●格安だった「8シリーズ」のイメージはどこに?
その後、出品者は、1998年にシカゴにあるIsringhausen BMWからこのクルマを購入。2018年3月にフロリダにあるアメリア島で開催されたコンクール・デレガンスに出品されるまで、BMW of North Americaで展示車として保管されていた。現在の走行距離は3万6000マイル弱(約5万8000km)で、保管状態は良好。オーナーによると走行したのは晴天時のみとのこと。
そんな状態のいい、シリアルナンバー1番の850CSiのエスティメートは、17万5000ドル〜22万5000ドル(邦貨換算約2030万〜約2600万円)であったのだが、上限に近い21万8400ドル(邦貨換算約2530万円)で落札された。
今回は850CSiという特別なモデルで、しかもシリアルナンバー1、保管状態が良かったことも記録から明確であったということもあって、高額での落札となったが、2000年代初頭の850iというのは、新車価格からすると中古車市場での価格が低いクルマとして知られていた。日本の中古市場では二ケタ万円で販売されていたものだ。
V8エンジンの840iはそれよりも高価だったが、V12エンジンは故障が多く修理をするにも多額の費用が必要となることから、とくに人気がなかったのだ。
実際20年ほど前、850iが近所の公園の駐車場に遺棄されているのを見たこともある。しかし現在はそんな850iですら、中古車市場価格が上がっている状況だ。おそらくこの先、値段が下がるということはないだろう。
この背景として考えられるのは、EV化へシフトしている昨今、V12エンジン搭載車がコレクションとして見直されていることがあるだろう。初代8シリーズの場合「M1」からの流れを汲んだフロントマスクのデザインなど、BMWのラインナップのなかにあってひときわ特異な存在でもあることも人気が上がっている理由のひとつだ。
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