これからのフェラーリの屋台骨となるのは「296GTB」だ
“スペチアーレ”(超限定車)の「ラ フェラーリ」を除けば、「SF90」シリーズに続くマラネッロハイブリッドモデルの第2弾が「296GTB」だ。いずれもプラグインハイブリッドシステムを積み、マラネッロ電動化の第一章の幕開けというべきだろう。

●ついにマラネッロ以外での試乗会を開催
SF90シリーズはしかし、V8エンジンにフロント2、リア1という3モーターを組み合わせ、マラネッロのロードカーラインナップにおいては12気筒モデルを上回る性能と価格帯のモデルとなっていた。つまり次世代のフラッグシップ扱いに近く、セールスの大黒柱はあくまでもリア1モーターのPHEVとした296GTBである。
マラネッロの伝統に則ってその車名を読み解けば、「2.9リッターの6気筒エンジンを積むGTクーペ」となる。この車名からは「ディーノ246gt」やその後継というべき「308GTB」を思い出された方も多いだろう。主力モデルとして半世紀近く続いた2シーターV8ミドシップラインナップの後継機だと思って差し支えない。
V8からV6へとダウンサイズした代わりに電気モーターと大容量バッテリーを積み込み、パフォーマンス的には「F8トリビュート」を遥かに上回った。価格も、だ。6気筒モデルといっても決して廉価版ではない。ディーノと名乗らなかった所以もその辺りにあるだろう。
マラネッロ期待の、そして重要な新世代モデルというわけで、そのローンチ国際試乗会の場所として選ばれたのはスペイン・セビーリャだった。セビーリャといえば海外試乗会のいわばメッカのひとつ。いつもなら驚くこともないのだが、今回は違った。
フェラーリがイタリア国外でこの手の試乗会を開催すること自体が初めて。さらにいえばスポーツモデル(2シーターのベルリネッタ)試乗会をマラネッロ&フィオラーノ以外で開くことも初だった。意気込みの強さがわかるというものだ。
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