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規格外の「ブガッティ・トリビア」平均オーナーの所有車は84台! ダイヤ1カラットが標準装備とは?

「シロン」に使われる地球86周分の素材とは?

 軽量で高い剛性が得られるカーボンファイバーは、シロンの至るところに採用されている。カーボンファイバーは単繊維が結束しているのだが、1台のシロンに用いられているカーボンファイバーの短繊維を“1本の糸”に見立てると、346万kmに相当するとブガッティは発表している。単純に計算すると、地球86周分にも及ぶ短繊維が用いられている、ということだ。

「美し過ぎるものはない、高過ぎるものはない」とはブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティが残した言葉。それはそのまま、現在のブガッティの哲学ともいえる(C)Bugatti Automobiles
「美し過ぎるものはない、高過ぎるものはない」とはブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティが残した言葉。それはそのまま、現在のブガッティの哲学ともいえる(C)Bugatti Automobiles

●テスト場所によっては最高速500キロも夢ではない!?

 シロンのカーボンモノコックボディは、ヴェイロンのものより8kg軽量化されていて、ねじり剛性は50000Nm/度、曲げ剛性は約0.25mm/トンに達するそうだ。これはル・マン24時間耐久レースに参戦するLMP1マシンに匹敵する。

 そしてこのカーボンモノコックボディを生産するには、4週間を要する。なお、シロンのエアバッグは、自動車史上初のカーボンファイバー“ハウジング”を突き破って作動する構造だという。

 シロンの触媒に目を向けてみると、これまた凄い。8リッターW16エンジンはたっぷりの空気を吸い込んで、たっぷりの燃料を燃やす。排出ガスは6つの触媒で有害物質が取り除かれ、リアエンドから放出される。ハニカム構造の触媒の面積を“平面”に換算すると、東京ドーム4.9個分にも及ぶ。ちなみに、エキゾーストパイプはほぼチタン製だ。

 シロンの最高度速計測は、フォルクスワーゲン・グループが所有するヴォルフスブルク工場の北約18kmにあるエーラレッシエンのテストトラック施設でおこなわれた。

 海抜がほぼゼロのこの場所で最高速490.48km/hを計測し、ドイツのTUV(テュフ・ラインランド、ヨーロッパ最大級の第三者認証機関)によって公認されている。ただ、テストコースの直線距離が足りず海抜がほぼゼロ、というハンデを背負ったうえでの結果だった。ケーニグセグ「アゲーラRS」が時速447km/hを記録したネバダ州は、標高が高いために気圧と密度が低い。もしそこでシロンを走らせれば、シロンの最高速度は500km/hに達したかもしれない。

●標準装備でダイヤ1カラットを使用

 そういえば、シロンはメーターパネル内に1カラット分のタイヤモンドを配するオプションがあるらしいのだが、滅多に見かけない。もっとも、シロンは「標準装備」として1カラット相当のダイヤモンドが使われている。実はシロンのオーディオシステムには、ダイヤモンド薄膜がコーティングされたスピーカー振動板が採用されているのだ。

* * *

「美し過ぎるものはない、高過ぎるものはない」とはブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティが残した言葉。ブガッティ社のオーナーは幾度と変わってきたが、その根底にある哲学は普遍的で、今もなお富裕層を魅了しているのだろう。

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