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アストンマーティン寺嶋正一氏に訊く「新型車とEVの最新情報&ビスポークでできること」とは【単独インタビュー:後編】

アストンマーティンのフラッグシップとなる「ヴァルハラ」はまだオーダー可能?

 2022年のアストンマーティンは、「DBX707」やV12を搭載際した「ヴァンテージ」の登場、「ヴァルハラ」市販モデルの詳細情報など、目が離せないトピックが目白押しだ。また、今後のEV化のプランはどの様になっているのだろうか。

アストンマーティンに関わること30年近くという寺嶋正一氏に、今後登場予定のモデルやEV化へのロードマップなどのお話を伺った
アストンマーティンに関わること30年近くという寺嶋正一氏に、今後登場予定のモデルやEV化へのロードマップなどのお話を伺った

──プロダクトポートフォリオを拡大しているとのことですが、既存のFRスポーツカーに加え、4WDのDBXが加わりました。これにリアミッドエンジンがラインナップに加わるということでしょうか?

「ヴァルハラのプロジェクトは、新しくローレンス・ストロールが会長になって、そしてトビアス・ムアースがCEOになって取り組んだ最初のプロジェクトです。そのため結構肝いりというか気合が入っています。

 なぜヴァルハラが方向転換をしたかというと、プロダクトのラインナップを見直して、リアミッドエンジンというラインナップを強化してアストンマーティン全体のポートフォリオを完成させるためです。そのため、車両価格を下げて生産台数も増やしたいということなのです」

──ヴァルハラは、999台限定モデルなのですか?

「もともとは1000台以上を作らないということだったのですが、それがいつの間にか999台という台数に置き換わってしまったようです。ヴァルハラを生産する期間というものも決まっているので、正しくは、その期間までにオーダーを受けるのが1000台未満ということです。

 ただし、果たしてどの市場にヴァルハラを何台投入するかというのは、慎重に見極めをしているところなので、それほど作る必要がないということになれば、999台作らないかもしれません」

──まだ、これからヴァルハラはオーダー可能ですか?

「2021年は第1弾のプロトタイプを日本に持ち込み、六甲山のサイエンスリゾートと青山でエクスクルーシブな限られたお客様をお呼びしてひとりひとりに発表会をやるような形でプロモーションをおこないました。

 新しいヴァルハラになる前から受注していたものに、このキャンペーンでさらに同じくらいの台数の受注をいただきました。

 2022年には、インテリアの情報も含めて、もっと詳細なヴァルハラの情報も出てくる予定です。できればこの次のタイプのプロトタイプを日本に持ちこんで、引き続き受注をしたいと考えていますので、もちろんオーダー可能ですよ」

2021年に日本国内でおこなわれたプロモーションで、さらに受注を伸ばした「ヴァルハラ」。まだオーダーは可能だ
2021年に日本国内でおこなわれたプロモーションで、さらに受注を伸ばした「ヴァルハラ」。まだオーダーは可能だ

●2025年までに全モデルがハイブリットないしはEV化される

──アストンマーティンのEV化についての予定を教えて下さい。

「2025年から2026年位までにハイブリットないしはEVに切り替え、2030年までに全モデルの90%がEVになるというプランを立てています。

 どの車種からEV化するかはまだ未定ですが、まずハイブリットの技術が導入されて、2025年までには全モデル的にハイブリットないしはEVの技術が入ってくるでしょう。当然、現行のDBXにもEVの技術が盛り込まれます。FRモデルも継続的に生産していくというプランですので、おそらくFRモデルもミッドシップもSUVもすべて同様のプランになるでしょう。

 2021年の上海モーターショーで、DBXのハイブリットが中国で先行して発表されました。直6エンジンのハイブリットです。これは今のところ中国限定ですが、当然全世界的にも導入が検討されることになると思います」

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