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ピニンファリーナが改造した右ハンドル「F50」が存在した! あってはならないフェラーリが存在する理由とは

非公式改造だと公式認証が取れないので安くなる?

 クラシックカー・オークションの老舗「RMサザビーズ」では、“プライベートセール”と呼ばれる委託販売をおこなっている。これは、出品期間が設けられておらず、出品者の希望売却価格に達するまでじっくり時間をかけて販売することができる。

 そんなプライベートセールで面白い物件が登場した。なんと右ハンドルのフェラーリ「F50」が出品されていたのだ。ご存じのとおり、F50はフェラーリ創立50周年を記念した“スペチアーレ”と呼ばれる限定モデルだ。

カーボン製ダッシュボードとアルカンターラがレーシーさを醸し出している。ちなみに、スパルタン仕様のマシンではあるがエアコンは付いている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
カーボン製ダッシュボードとアルカンターラがレーシーさを醸し出している。ちなみに、スパルタン仕様のマシンではあるがエアコンは付いている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 デビューは1995年で、フェラーリの創立50周年よりも2年早かった。理由は、ヨーロッパで新たに制定された排出ガス規定をクリアすることが難しかったため、法律施行前に予定した台数を全て売り切る、という奇策だったといわれている。

 フェラーリの生産計画は常に「需要よりも少なく」が基本。新車時の価格は5000万円程度で、90年代初頭からの不況のあおりを受けていたが、350台の完売が見込めたので1台少ない349台限定とした、そうだ。ちなみに現在、当時の10倍近い価格で取引されている。

●開発コンセプトは「公道を走るF1」

 F50は、当時のF1マシンと同様に軽量で高剛性のモノコックタブを採用。その重量はたった102kgだった。イタリアのダラーラで製造されたカーボンコンポジット製モノコックタブに、エンジンをリジッドマウント(剛結・ボディへ直にボルト止め)された。特徴は、エンジンやトランスミッションも、走行中のストレスを負担する“構造体”として機能するという、F1マシンさながらの仕組みが採用されていたことだ。

 1992年のF1マシン「F92A」に搭載された3.5リッターV型12気筒DOHC 5バルブエンジンを進化させ、排気量を4.7リッターまで拡大。6速MTを組み合わせた。

 パワーステアリング、サーボアシストブレーキ、ABSなどは装備せず、走行中の振動やノイズはF1マシン譲り。そのためしばらく人気がなかったように見受けられたが、「F40」よりもずっと生産台数が少なく、今となっては絶滅危惧種と呼べる6速MTを搭載。結果、中古車相場は暴騰している。

Nextピニンファリーナではなく、フェラーリ自社が作った右ハンドル「F50」もあった!?
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