NFTアートへは豪華なオブジェのQRコードからアクセス
2021年12月1日、ランボルギーニはツイッターやYouTube動画で「Something cool is coming」(クールな何かがやってくる)というメッセージを込めた、エキゾースト音+月の映る意味深な動画を公開した。エンディングには「NFTPRO」というブロックチェーン関連企業のロゴも流れ、ランボルギーニによるNFT参入を予感させるものだった。

その後、ランボルギーニによるNFTの“チラ見せ”はツイッター上で続いた。2021年12月後半には「#To the moon」と月面に書かれたような写真、そして2022年1月にはロケットの打ち上げ、宇宙飛行士と月、といったように意味不明な動画がツイートされてきた。
●NFTなのにリアルなオブジェとは?
一般的には“なんのこっちゃ?”と受け止められがちだが、ブロックチェーン界隈において「To the moon(月に向かう)」は上昇相場を意味する縁起の良いフレーズ、おまけに一般的に月は宇宙を連想させる言葉だ。
NFTは“Non-Fungible Token(非代替性トークン)”の略で、ブロックチェーン上に所有者情報、作者情報、シリアル番号などを記録し、固有の価値を持たせる非代替性の「デジタルトークン」を意味する。現状、デジタルアートでのNFT活用が多くみられるが、その守備範囲は広く、新たな売買市場やビジネスを創出する技術として注目されている。
やや乱暴ないい方をすれば、オンライン上の“登記簿謄本”のようなものに様々な情報を記録できるほか、世界的に売買することもできる、という捉え方でいいだろう。
そして2022年1月18日、ランボルギーニNFTの“答え合わせ”の一部のようなものが発表された。ランボルギーニが公式に公開したのは、ランボルギーニNFTを購入した者が手にできる「ランボルギーニ・スペース・キー」と名付けられたオブジェだ。
アルミ削り出しと思しきオブジェの中には、宇宙空間に文字どおり「滞在」したカーボンファイバー片が収まっている。本来、NFTはデジタルトークンゆえにオンライン上でしか見られない。そんなデジタルトークンの“所有”を実感させるために、わざわざオブジェを製作するのは……、なんとも皮肉だ。
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