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トヨタが挑む「電気自動車の民主化」エンジン車から移行しても安心して乗れる「bZ4X」のスゴさとは

目指したのは“安心して乗れる”EV

「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」は、トヨタが満を持して世に送り出すピュアEV(電気自動車)だ。トヨタはこれまでも北米マーケットなどでEVを販売した実績はあるものの、それらは少量生産に過ぎなかった。そのためbZ4Xは、実質的にトヨタブランド初の量産EVといっていいだろう。

従来のエンジン車やハイブリッドカーから乗り換えても“安心して乗れる”ことに注力して開発されている、トヨタブランド初の量産EVであるbZ4X。電気自動車の民主化というトヨタの新たな挑戦がはじまった
従来のエンジン車やハイブリッドカーから乗り換えても“安心して乗れる”ことに注力して開発されている、トヨタブランド初の量産EVであるbZ4X。電気自動車の民主化というトヨタの新たな挑戦がはじまった

 そんなbZ4Xは、2022年の年央デビューを予定する。そのタイミングに関して「EV化の流れに対して遅いのでは?」といった声も聞かれるが、筆者はそうは思わない。なぜならEVマーケットはまだまだホットではないからだ。

 2021年、全世界で約400万台のEVが販売されたが、それはクルマの総生産台数における5%ほどに過ぎない。そんな小さな市場にトヨタが新型車を投入しないからといって、「EVに対する動きが遅い」というのは、あまりに強引な評価ではないだろうか。

 世界に先駆けてハイブリッドカーを商品化したトヨタは、バッテリーから制御系まで、電動車両に関する豊富な技術とノウハウを手にしている。つまりトヨタは、決して「EVをつくれない」のではなく、市場がEVを受け入れる状態になるのを待っていただけに過ぎない。

 トヨタブランド初のピュアEVを正確に評価するためのカギは、そうした市場動向にある。実際bZ4Xは、性能面も使い勝手も、従来のエンジン車やハイブリッドカーから乗り換えた人が“安心して乗れる”ことに注力して開発されている。この全方位的な完成度の高さこそが、ゆるやかなEVシフトの原動力となりそうだ。

EVとしてはオーソドックスなSUVルックながら、アクセントの効いたディテールを配することで存在感を強めている
EVとしてはオーソドックスなSUVルックながら、アクセントの効いたディテールを配することで存在感を強めている

 bZ4Xは主要自動車メーカーが世に送り出したEVの多くがそうであるように、SUVスタイルを採用する。全長4690mm、全幅1860mm、全高1600mmというスリーサイズは、同社の人気SUVである「RAV4」より95mm長く、20mm広く、60mm低い。加えてホイールベースがRAV4より160mm長いから、サイドから眺めた際のプロポーションは実に伸びやかだ。

 そんなbZ4Xの駆動方式は、FWDと4WDが用意される。前者は150kWのモーターで前輪を駆動し、後者は80kWのフロントモーターと80kWのリアモーターを組み合わせたツインモーター仕様となる。

 気になる1充電当たりの航続可能距離は、FWD車が500km前後、4WD車は460km前後を見込む。EVは一般的に、航続可能距離が400kmを超えると実用性がグンと高まり、500kmを超えると乗員の安心感が増すといわれる。bZ4Xはこの点においても、“安心して乗れる”性能を確保している。

 またEVに対するトヨタの本気は、プラットフォームからも見て取れる。なにしろbZ4Xの誕生に合わせ、“e-TNGA”と呼ばれるEV専用プラットフォームを新開発。大きなバッテリーを搭載しながら車体底面にバッテリーケースの張り出しがなく、フロア下がきっちりフラット化されている辺りは、EV専用設計ならではの賜物だ。

 ちなみにe-TNGAは、3タイプのホイールベースを設定できるという。さらに車高を下げることもできるというから、トヨタ製EVの第2弾、第3弾がどんな車種となるのか、いまから興味は尽きない。

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