大きくカッコよくなって要注目の「グランドチェロキーL」
アメリカのブランド「ジープ」が10年ぶりにフルモデルチェンジをおこない誕生させた「グランドチェロキーL」。そのコンセプトは「人生は想像より大きい」。
このグランドチェロキーが我が家のガレージに収まることでライフスタイルがどう変化するのかを想像しているのなら、まずはその想像以上の仕上がりを実際に自分自身で体験してみたらどうだい、とでもいわんばかりのなんとも夢のあるキャッチフレーズである。

10年ぶりとなるフルモデルチェンジだが、それは前作がラージサイズのSUVとして、最後まで魅力を失わないデザインや装備、そして実用性に走りといった特長を失わなかったことの証明でもある。
その事情を踏まえての10年ぶりのフルモデルチェンジなのだから、ジープオーナーならずとも期待が高まらないわけはない。
日本市場に導入されるグランドチェロキーLは、6人乗りの「サミットリザーブ」と、7人乗りの「リミテッド」の2タイプ。一新されたボディデザインは、1963年に誕生したSUVのパイオニアともいえる「ワゴニア」にインスピレーションを得たとリリースにもあるとおり、ジープ・ブランドの象徴ともいえるセブン・スプリット・グリルは上部の方が前へ突き出る逆スラントで、クラシックな雰囲気も感じさせる。
ボディサイズは全長5200mm×全幅1980mm×全高1815mm。ホイールベースは3090mmとされるが、その割にはボディの縦横比は、感覚的にはスポーティなものに見えるのが印象的だ。
試乗車のリミテッドは、セカンドシートが3人用となることで7人乗りを実現した仕様だ。3列目シートへの乗り降りは、3列目シートのSUVとして後発とあってかなり考えられている。
ラゲッジの積載能力も、ドライバーズシートから後ろ、2列目と3列目を倒せば、最大で2396リッターにまで拡大。SUVとしての機能性は、さすがにジープの誇るフラッグシップモデルといったところだ。
●エアサスでなくとも好印象
新型グランドチェロキーLに搭載されるエンジンは、3.6リッターV型6気筒DOHCで、最高出力286ps/最大トルク344Nmを発生し、これに8速ATを組み合わせる。
車重は2170kgだが、アクセルの踏み始めなどの動きにストレスを感じることなどはない。むしろその上品な加速感、そして上級モデルのサミットリザーブのようにエアサスペンションを持たなくとも、その乗り心地が常に落ち着いていることに感動させられた。
ステアリングが常に正確な動きに終始するのも、ワインディングではとくに好印象を持てた部分だ。これはおそらくフロントサスペンションの部分剛性が大きく向上していること、そして低重心を可能にしたことが理由と思われるが、はたしてオフロードではこのリミテッドは、シンプルなフットワークでどのような走りを披露するのか。それを確かめるのが楽しみになってきた。
●Jeep Grand Cherokee L Limited
ジープ グランドチェロキーL リミテッド
・車両価格(消費税込):788万円
・全長:5200mm
・全幅:1980mm
・全高:1795mm
・ホイールベース:3090mm
・車両重量:2250kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHC
・排気量:3604cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:286ps/6400rpm
・最大トルク:344Nm/4000rpm
・燃料タンク容量:87L
・サスペンション:(前)マルチリンク式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)275/45R21、(後)275/45R21