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15分充電で180キロ走行可能! AMG新型「EQE43」と「EQE53」は本当に使える電気自動車かもしれません

AMGとはいえ気になる航続距離と充電時間は?

 今回発表されたメルセデスAMGの新型EQEモデルには、最新のリチウムイオン技術を用いた328ボルトの高性能駆動用バッテリーが搭載されている。

コックピットは近未来的なハイパースクリーンで覆われている
コックピットは近未来的なハイパースクリーンで覆われている

●15分充電で180km走行可能!

 使用可能なエネルギー量は90.6kWh。10個のモジュールと合計360個のパウチセルで構成されている。

 EQE53のバッテリーマネージメント・システムは、AMG独自のもので、ドライブプログラムの「スポーツ」と「スポーツ+」では走行性能を重視し、「コンフォート」では航続距離を重視する。このバッテリーはそもそも高いエネルギー密度と充電容量を特長としているが、バッテリーマネージメント・システムのアップデートを無線でおこなうことができ、ライフサイクルにわたる継続的な改善が可能になったことも大きな特長といえる。

 新世代バッテリーのもうひとつの魅力は、その充電時間の短さだ。直流の急速充電ステーションで最大170kWの充電が可能で、この場合180km(WLTP)分の電気をわずか15分で充電することができる。

 またAMGの電動化モデルはオンボード充電器によって、家庭や公共の充電ステーションで11kW、またはオプションで22kWの交流充電が可能。日本では双方向の充電も可能になるだろう。

 バッテリーやモーターの熱管理は、充電時間の短縮にも大きく貢献することは、いまさら説明するまでもないだろう。ブレーキ操作等によるリカバリゼーションを利用した効率的なエネルギー回収もEQEの魅力だ。回生される電力は最大で260kWに達し、ドライバーはステアリングホイール上のスイッチで、そのレベルを3段階から選択できる。

 モーターからの駆動力を路面に効率的に伝えるのは、標準装備となるAMGパフォーマンス4MATIC(EQE43)、もしくは4MATIC+(EQE53)だ。EQE53の4MATIC+は、1秒間に前後輪のトルクを160回チェックし、必要に応じて最適なトルク配分を調整する。もちろんドライブモードによって特性を変化させるのは当然だ。

 サスペンションはアダプティブ・アジャスタブル・ダンピング付きAMGライドコントロール+と呼ばれるもので、これは4リンク式のフロントアクスルとマルチリンク式のリアサスペンションをベースとしたもの。リアアクスルステアリングも標準装備され、60km/hを境にそれ以下では前輪と逆位相に3.6度、逆にそれ以上の車速では同位相に3.6度が操舵される仕組みとなっている。

 個性的なキャブフォワードデザインのボディ、そして個性的なグラフィックや装備でカスタマーの目はもちろんのこと、スポーティかつ高級感のある手触りを予感させてくれるインテリア。メルセデスAMGのEQEは、おそらくはBEVの世界で今後大きな話題を呼ぶモデルとなることだろう。

 そして世界のAMGファンが待望しているのは、メルセデスAMGからのBEVスポーツカーだ。そのプロジェクトにゴーサインが出されたら、彼らははたしてどのようなモデルを我々に見せてくれるのか、今から楽しみである。

Gallery 【画像】誇れるのは走行性能だけではないAMG「EQE」を見る(30枚)
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