約120時間のパワーリザーブと平均月差±10秒の高精度を備えた“キャリバー9RA2”
純白のダイヤルは、2021年のジュネーブ時計グランプリ・メンズウオッチ部門賞を受賞した、「メカニカルハイビート 80 Hours」にも採用されている、白樺林のイメージを型打ちした通称“白樺ダイヤル”。
この時計が製造された、長野県塩尻市の“信州 時の匠工房”から近い広大な白樺林がモデルとなっており、同じ白樺ダイヤルでも「メカニカルハイビート 80 Hours」とは表情が異なる。
模様の掘りが浅くなったことで輝きを増したダイヤルは、朝日の差し込んだ白樺林をイメージさせ、景色だけでなく、その静けささえも伝わってきそうだ。音もなく静かにダイヤルの上を進むスイープ運針も、静寂に包まれた白樺林を想起させるのに一役買っている。
その静かな時の刻みをつかさどるのが、レギュラーモデルとして初めて搭載された次世代のスプリングドライブムーブメント「キャリバー9RA2」。
このムーブメントが誇るのは、平均月差±10秒という高精度と、約120時間のパワーリザーブ。最大巻上時に5日間動き続けるというパワーリザーブは、大小ふたつの香箱を並べて配置する“デュアルサイズバレル”によって実現。
ムーブメントの裏ブタ側にはパワーリザーブインジケーターが配置され、ケースバックから確認することができる。
また、自動巻き上げ機構の“マジックレバー”を中心からズラした位置に配することでムーブメントの薄型化にも成功。さらに、りゅうずの位置を裏ブタ側に寄せ、時計全体の重心を下げたことで、より腕になじみやすくなっているのも特徴といえる。

●美しく、見やすく、永く使える、エボリューション9スタイル
ケースやブレスレットなどの造形は、グランドセイコーの伝統的なデザイン文法に、“光と陰の間”に美しさを見出す日本人独自の感性を取り込んだもの。さらに時計としての視認性や装着感を進化させた、新たなデザイン文法に沿った仕上がりとなっている。
これは、審美性、視認性、装着性の進化という、3つのデザイン方針をもとに、“節目を主体に鏡面と連ねた多面ケース”や“深い溝を入れた多面的なダイヤカットインデックス”、“低重心ケース”など、9つのデザイン要素によって定義。
研磨技術の最高峰ともいわれるザラツ研磨による、歪みのない鏡面と繊細なヘアライン仕上げの調和が織りなす、“光と陰の間”の和のともしびは、日本人の美意識に訴えかけてくるものがあるはずだ。
なお、“シリーズ9”と呼ばれていたデザインシリーズは、今作の登場から“エボリューション9スタイル”としてコレクション化。今後の新作からも目が離せない。
目まぐるしく状況が変わる混沌とした世の中でも、柔らかな光を放ち、心を落ち着かせるように静かに時を刻むエボリューション9スタイル。新たな強心臓を得て、これから先も動き続けることだろう。
●製品仕様
・価格:104万5000円(消費税込)
・ケースサイズ:横40mm/縦47.6mm/厚さ11.8mm
・ケース:ステンレススティール
・ストラップ:ステンレススティール/クロコダイル(別売オプション)
・ガラス:デュアルカーブサファイア
・ムーブメント:キャリバー9RA2
・パワーリザーブ:約120時間
・防水性:日常生活用強化防水(10気圧)