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「ヤリス」が800万円オーバーは妥当か!? BMW「E46M3」と変わらない値段の「GRMNヤリス」の価値を検証します

サーキットとラリーのパッケージを装備すると800万円オーバーの「ヤリス」とは

 東京オートサロン2021の会場で発表された「GRMNヤリス」が話題を呼んでいる。そのおもな論点は、いいクルマなのはわかるけど、いくらなんでも車両価格が高いのではないか、というものだ。

 ベースとなっている「GRヤリスRZ」の車両価格は、おおよそ400万円ほどである。先進の4WDシステムを搭載した1.6リッターターボのこのクルマで400万円という値付けは納得できる。VAB型のスバル「WRX STI」の車両価格が、EJ20型2.0リッターターボ4WDでやはり同じくらいの400万円だったことからすると高いようにも感じられるが、GR-FOURと呼ばれる4WDシステムの凄さを加味すれば、そのくらいの値段はするだろうと納得できるのである。

ヤリスに700万円オーバーの価値があるのか、ちょっとした話題になっている
ヤリスに700万円オーバーの価値があるのか、ちょっとした話題になっている

 しかし、GRMNヤリスの車両価格は731万7000円と、330万円ほどGRヤリスよりも高い。この差が妥当なものではないのでは、というのが、GRMNヤリスは高いという人の主張のようだ。

 しかしこれについては、「妥当である」と判断したい。これはなにも、GRMNヤリスが500台の限定車だからとか、持っていれば確実に価値が上がるからといった理由からではない。純粋にそのつくり込みが、価格に見合っていると判断できるからだ。

●開発にかけた時間に見合う車両価格

 GRMN(ガズー・レーシング tuned byマイスター・オブ・ニュルブルクリンク)という冠が掲げられたモデルは、サーキット走行を視野に入れたチューニングが施されている。昨今、チューニングという言葉にネガティブなイメージを持つ人も多いようだが、腰が痛いからシートにクッションを装備するというのも立派なチューニングのひとつである。ドライバーの用途に合わせてクルマをより使いやすくするというのがチューニングの本来的な意義であって、GRMNモデルではその用途にサーキット走行を含んでいるということだ。

 さらにいうと、GRMNモデルでは、一般のグレードではコスト面から採用できなかった素材や、工数の増大からおこなえなかった工程などを盛り込むことで、ベース車よりもはるかに質の高いつくり込みがおこなわれている。

 これは別に、一般のグレードがコストダウンのために手を抜いているということではない。一般のグレードは、通常考えられる一般的な乗り方をしたときの、必要十分な性能が持たされている。

 しかしその一般的な性能でサーキットを長時間走ると、クルマに対して大きなストレスが掛かり、不具合が出てしまう場合がある。サーキット走行と同じような負担は、一般道でいくら長時間走っていても掛けられるものではない。

 そこでGRMNモデルは、サーキットでのテストを続けることで弱点を洗い出し、対策が施されている。この対策こそが、チューニングなのである。

 その上で、過酷なテストから得られたさまざまなノウハウは、市販モデル開発にフィードバックされ、ここだけはコストを削って手を抜いてはダメだという知見が共有されることになる。GRMNモデルの開発は、いわば市販車開発のレベルアップにも繋がっているわけだ。

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