VAGUE(ヴァーグ)

時計史に名を刻むゼニスの初代「デファイ」復刻で考える機械式時計の歴史

堅牢な機能性と美しさで機械式時計の存在感を示した“デファイ”初代モデル

 1969年12月、世界初のクォーツ式腕時計の登場によって、スイス腕時計業界に激震が走った。それは“クォーツ・ショック”と呼ばれ、時計愛好家の間では広く知られているところ。

 高精度で大量生産可能なクオーツ式腕時計は、1970年代以降急速に普及していくが、その萌芽はすでに1960年代から見え隠れしていたものだ。

 ゼニスから1969年に登場した“デファイ A3642”は、いうなればこうした時代の趨勢に対して、老舗マニュファクチュールが出したひとつの答え。重厚かつエレガントなデザインと堅牢な機能性で、機械式ムーブメントの存在感を体現してみせたのだ。

 この“デファイ A3642”の大きな特徴は、各面に丁寧な仕上げを施された鋭角的な八角形ケースの上に、14もの面で削り取られたベゼルを合わせるという、大胆で力強いデザインにある。

 その堅牢さは、フランス語で「貸金庫」を意味する“coffre-fort”なるニックネームによって親しまれていたことからもうかがい知ることができる。

 また、300m防水という優れた耐水性能や、ゲイフレアー社によってデザインされたスチール製ラダーブレスレットからは、スポーティなブレスレットウォッチとして時代を先取りしていたこともうかがえる。

周囲に向かうにつれ色味を増すグラデーションが美しい
周囲に向かうにつれ色味を増すグラデーションが美しい

●50年の時を超えて復活したオリジナルデザインにコレクションの原点を見る

 誕生から半世紀以上の時を経て復刻された今回の「デファイ リバイバル A3642」。

 ムーブメントには“エリート 670”を採用し、週末の間丸々休ませても週明けには確かな動作を確認できる、50時間のパワーリザーブを備えた先進の自動巻きムーブメントだ。

 デザイン面に関しては1969年当時の設計図に従い、極めて正確にオリジナルモデルを再現。

 当時はまだ珍しかったブラウンのグラデーションダイヤル、水平方向に溝を刻まれたスクエア型アワーマーカー、パドルデザインの秒針など、個性あふれる魅力的なディティールを随所に備えている。

 剣型デザインを採用した時分針も“A3642”に倣ったものだが、復刻モデルではオリジナルで用いられていたトリチウムに色調を似せたスーパールミノバを採用。

 またサファイアクリスタルを用いたシースルーバックとすることで、美しいムーブメントの営みを視覚的にも楽しめるようになっている。

 現代のライフスタイルにふさわしい先進の性能に、コレクションの原点となるマスターピースのデザインをまとわせた贅沢なタイムピース。コレクターならずともぜひ手にしてみたい逸品だ。

●製品仕様
価格:80万3000円(消費税込)
リファレンス:03.A3642.670/75.M3642
ケース径:36mm
ケース:ステンレススチール
ブレスレット:ステンレススチール製ラダーブレスレット
ムーブメント:自動巻きムーブメント エリート 670
パワーリザーブ:50時間以上
防水性能:30気圧
販売数:250本限定

Gallery【画像】ZENITH(ゼニス)の「デファイ リバイバル A3642」を見る(5枚)

RECOMMEND