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「エンツォ フェラーリ」のライバル「カレラGT」の価格上昇中! ポルシェの本気が詰まったスーパースポーツとは?

かつてスーパーカーウォーズ頂上対決を展開した伝説のポルシェとは?

 2000年パリ・サロンに何の前触れも無く参考出品。その後3年の開発期間を経て、2003年フランクフルト・ショーにて正式発表されたポルシェ「カレラGT」は、21世紀初頭に「エンツォ・フェラーリ」やメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」とともにスーパーカーウォーズ頂上対決を展開した伝説のスーパースポーツである。

21世紀初頭のスーパーカーウォーズ頂上対決を展開した伝説のスーパースポーツの最高速度は330km/h(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
21世紀初頭のスーパーカーウォーズ頂上対決を展開した伝説のスーパースポーツの最高速度は330km/h(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●レーシングカーを公道モデルにチェンジ

 その実体は、前世紀末にル・マン挑戦を目指して開発されつつも結局キャンセルに終わった純レーシングカーを、ロードカーに転身させたモデルといわれており、設計思想は極めて「レン・シュポルト的」な発想に基づくものだった。

 根幹となるシャシフレームについては、カーボンファイバー製タブに、エンジンやサスペンションを支持するサブフレームを連結するという方策が採られた。特に、上下2ピースのパーツによって構成されたサブフレーム形状は他に例を見ないもので、エンジンを包み込むようにマウントして剛性を高めた。

 また、1960年代初頭に活躍したポルシェのレーシングスポーツカー「RSK718」をデザイン上のモチーフとしたボディの外板もすべてカーボンファイバーによるもの。シャシも含めて総カーボン製とされたことが功を奏し、5リッター超級の大排気量エンジンを搭載しつつも、ウェイトは1380kgと軽く抑えられていた。

 サスペンションは純レーシングカー式の前後ダブルウィッシュボーンで、インボードにマウントされたダンパーとサスペンションアームはプッシュロッドで連結。さらに、ブレーキについても当時最新のテクノロジーが反映され、市販ポルシェとしては初めて「ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)」と呼ばれるカーボンセラミック製のディスクローターを採用し、モノブロックの高剛性キャリパーと組み合わされた。

 そしてエンジンは、ル・マンのレギュレーションに即して開発された5.5リッターV型10気筒を少しだけ拡大して5.7リッターとしたもの。鍛造クランクシャフトやチタン製コンロッドなど、レーシングカー譲りのマテリアルが贅沢に投入されていた。

 当然ながらその性能は素晴らしいもので、最高出力612ps、最大トルク590Nmを発揮。そして可動式リアスポイラーや、同じくリアのディフューザーがもたらす優れた空力特性も相まって、最高速度は330km/hを掛け値なしでマークしたといわれている。

 ただ、トランスミッションは6速MTのみが組み合わせられ、しかもクラッチはカーボンセラミック複合素材を使用した「PCCC(ポルシェ・セラミックコンポジット・クラッチ)」。さらに、レースカー譲りの小径クラッチゆえの慣性重量の低さや多板クラッチ特有のシビアな特性も相まって、2ペダルのエンツォ・フェラーリやメルセデスSLRマクラーレンと比べると、かなり高度な運転スキルがドライバーに求められたという。

 そのキャラクターのせいなのか、当初は世界限定1500台が生産される予定だったのが、1270台で生産を終えることになったのだ。

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