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マクラーレン「F1」と同じシートレイアウトの電動トラックが1500台も大量生産! 欧州最大の運送業者が発注するワケとは

EV化の波はトラック産業にも押し寄せてきている

 DBシェンカーは、ドイツ・ベルリンに本社を置く、ドイツ鉄道(ドイチェバーン)傘下の物流会社である。前身の「シェンカー&Co」は1872年に設立された、由緒正しい物流会社。元々は鉄道貨物主体の企業であったが陸運・海運にも事業を拡大し、現在ではヨーロッパ最大の物流会社となっている。

緑帯が付いたナンバープレートは、イギリスで発行される電気自動車専用のもの。駐車料金の割引があるほかゼロ・エミッション・ゾーンへの乗り入れが可能になる(C)Volta Trucks AB
緑帯が付いたナンバープレートは、イギリスで発行される電気自動車専用のもの。駐車料金の割引があるほかゼロ・エミッション・ゾーンへの乗り入れが可能になる(C)Volta Trucks AB

●聞き慣れないボルタ・トラックスとは

 そんなDBシェンカーが1500台の電気トラックを発注した、と話題になっている。今のところ発注台数はヨーロッパにおいて最大で、発注した先は「ボルタ・トラックス」だ。

 ボルタ・トラックスは電気商用車の製造・サービス会社で、2017年に設立された。本社をスウェーデン・ストックホルムに置き、英国を中心にエンジニアリングを、生産をオーストリアの「シュタイアー・オートモーティブ」でおこなう。ちなみにこのシュタイアー・オートモーティブ社は、フォルクスワーゲンAG傘下であるトラックメーカー「MAN」の工場を引き継いだものだ。

 工場を建設するには多額の資金を要するだけでなく、大量生産時の品質管理に熟練工が必要だ。その点、ボルタ・トラックスは工場を持たずに生産をアウトソースする、いわゆるファブレス(fabrication facility less)経営を取り入れている。

 DBシェンカーが発注したのは、ボルタ・トラックスの「ボルタ・ゼロ」で、その名のとおりゼロ・エミッションを示している。都心部の物流に特化して設計された世界初の16トン級フル電動車両(全長9460mm×全高3470mm×全幅2550mm)で、都心部の貨物配送における環境負荷の低減を実現させるという。

 2022年春から夏にかけて、物流ハブから都心部や郊外の配送センターなどの5か国・10拠点にプロトタイプが用いられ、そこで得られた改善点を反映して1470台の大量生産に着手する予定。また、DBシェンカーとボルタ・トラックスは共同で、ボルタ・ゼロの12トン級仕様の設計を“現場の声”を反映させながらおこなうという。

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