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テスラやBMW「i8」が出火したら消火が大変! 普及が進む電気自動車の火災に対応する新消火システムとは

電気自動車は万リットル単位の水が消火に必要

 2020年度の車両火災発生件数は、消防庁によると3466台だった。日本ではおよそ8200万台の車両が登録されているため、確率としてはほんのわずかである。車両火災の原因は事故の衝撃によるものだったり、整備不良や経年劣化だったり様々。

 さほど話題にのぼってはいないが、実は大容量のバッテリーを搭載した車両火災がやっかいなのだ。これからどんどん普及が進むであろう電気自動車のバッテリーは、鎮火させるまでに時間がかかる、といわれている。

BMW「i8」のバッテリー容量はおよそ13kWh(33Ah)。テスラなどの高級電気自動車は100kWhを搭載するものもあるため、さらに出火した際の危険性が高まる(C)Brandweer Midden-en West-Brabant(Facebook)
BMW「i8」のバッテリー容量はおよそ13kWh(33Ah)。テスラなどの高級電気自動車は100kWhを搭載するものもあるため、さらに出火した際の危険性が高まる(C)Brandweer Midden-en West-Brabant(Facebook)

●EVは出火したら消火が大変

 一般的に既存の内燃機関式自動車は、エンジンやガソリンタンクからの出火が多い。その部分に放水すれば意外とすんなり鎮火する。しかし、電気自動車が搭載するような大容量バッテリーは、車体の床下部分に格納されることが多く、直接の放水が難しい。

 例えば、2019年にオランダの「中央・西ブラバント消防署」が、Facebookで公開した写真を見れば分かるだろう。火災を起こしたBMW「i8」を消火した後、なんと車両全体を消火液が入った専用の“タンク”内に24時間漬け込んだ模様を紹介していた。

 2021年4月には、アメリカ・テキサス州でテスラ「モデルS」がバッテリーから出火したのだが、鎮火までに4時間、約2万8000ガロン(約10万6000リットル)の水を要した。そればかりか鎮火したように見えてから約30分後には、バッテリーパック内で熱暴走が起こり再度発火。最終的にはクレーンで車両を吊り上げ、バッテリーパックに向けて直接放水することで、ようやく鎮火させることができた。

 テスラが用意しているレスキューマニュアルによると、バッテリー火災に必要な放水量は3000ガロン(約1万1400リットル)と記されていたのだが……。

 また、「自然消火を待つことも考慮してください」と燃え尽きるまで放置することも要検討と記されていることが気になる。最悪のケースを想定しての記載だろうが、それだけ電気自動車のバッテリー火災を鎮火させるのは難しいのだろう。

Nextバッテリーに直接刺さって消火するシステムとは
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