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究極のポルシェ「911」最新情報! 伝説の「959」は2億円を超えることができた?

コンセプトカーから限定スーパーカーとなった究極の911

 2022年1月27日に開催され、今年のクラシックカー/コレクターズカー市場を占う、RMサザビーズ「ARIZONA」オークションでは、さる著名なドイツ車コレクターから「特別なポルシェ」が複数出品された。

 今回はその中から、1987年型のポルシェ「959コンフォート」をピックアップ。オークションレビューをお届けすることにしよう。

モータースポーツの現場にて素晴らしい成果を残したうえで、1987年から正式に限定生産されたポルシェ「959」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
モータースポーツの現場にて素晴らしい成果を残したうえで、1987年から正式に限定生産されたポルシェ「959」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●モータースポーツの活躍でPRもバッチリ

 ポルシェ959は、20世紀における究極のリアエンジン・ポルシェにして、従来のスーパーカーの常識を遥かに超える「ハイパーカー」の先駆けとなったモデルのひとつともいえよう。

 そのひな形は、1983年のフランクフルト・ショーにて発表された「911グルッペB」。名前のとおり当時のFIA「グループB」規約によるレースやラリーへの参戦を期して企画・製作されたもので、この時点で発表からすでに20年が経過していたポルシェ「911」をベースとしつつも、中身は当時最新の自動車テクノロジーの大々的な導入によって、その時点におけるポルシェの最新テクノロジーをアピールするためのコンセプトカーでもあった。

 ショーの会場に詰めかけたギャラリーから圧倒的な支持を得た911グルッペBは、その直後にポルシェAGの正式プロジェクトとして承認され、新たに「959」のコードナンバーのもと開発されることになる。

 そして1985/86年には、ラリーカーに仕立てた試作モデルで「パリ・ダカール・ラリー」に参戦。とくに生産モデル同様のツインターボ・エンジンを搭載した1986年には、1-2-5位を独占した。

 また、同じ1986年の「ル・マン24時間耐久レース」にも、959をベースにレーシング・チューンした「961」がポルシェのワークスチームから単独エントリー。本格的なグループCカーに割って入り、みごと総合7位に入賞してみせた。

 こうして959は、モータースポーツの現場にて素晴らしい成果を残したうえで、1987年から正式な限定生産へと移行。グループBホモロゲートに必要な200台に加えて、オーダーに応えるべく追加生産がおこなわれ、総計292台(ほかに283台説など諸説あり)が生産されることになる。

 生産型959のリアエンドに搭載されるパワーユニットは、シリンダーヘッドを水冷/ブロックは空冷という、非常に珍しい構成を持つボクサー6気筒2.85リッター。当時のFIA「世界スポーツカー選手権(WEC)」で圧倒的な強さを見せていたポルシェ「962C」譲りで、1気筒当たり4バルブのDOHCヘッドも与えられていた。もちろん、2基のターボチャージャーも加えられた結果、その最高出力は当時のポルシェのトップモデル「911ターボ」の50%アップとなる450psに達した。

 一方、路面状況の変化などによって前後輪のトルク配分を電子制御で自在に変化させるトルクスプリット式4WDシステムは、のちに964系「911カレラ4」で採用されたものの原型となったほか、ポルシェとしては初となる6速マニュアルトランスミッションも組み合わされた。

 1980年代後半において、ポルシェ959は間違いなく世界最速車のひとつ。停止状態から4秒以内で時速60マイル(約96km)に到達し、「クォーターマイル(0-400m)」加速は約12秒。最高速度は200マイル、つまり約320km/hをマークした。

 フェラーリがこれよりわずかに速く、はるかに洗練されていない「F40」を直後に発表するまでの短い期間ではあったものの、ポルシェ959が当時の高性能ロードカーが挑戦すべき基準を設定したのは、間違いのない史実なのである。

Next959に払ったメンテ費用はどのくらい?
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