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故・石原裕次郎の愛車メルセデス・ベンツ「300SL」の価格急騰中! どうしてガルウイングドアを採用したのか?

ガルウイングドアによってさらに価値を高めた1台

 数あるメルセデス・ベンツの中でも、コレクターが最終的に目指す究極の1台といえば、「300SLクーペ」の名前を挙げる者は多い。1954年のニューヨーク・モーターショーで生産型が初公開されて以来、いや実際にはそれ以前にもプロトタイプがモータースポーツの世界で大活躍を見せる中で、300SLクーペの販売開始は誰もが望むところであり、ニューヨークでの生産型の発表は一瞬にして世界のカーマニアに伝わることになった。

日本では石原裕次郎の愛車だったとして知っている人も多いメルセデス・ベンツ「300SL」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
日本では石原裕次郎の愛車だったとして知っている人も多いメルセデス・ベンツ「300SL」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●構造上の理由で選択されたガルウイング

 300SLクーペの実際の生産は1955年から1957年にかけておこなわれ、その総生産台数は1400台とRMサザビーズの出品車カタログの中で報告されている。

 そのフロントマスクはプロトタイプよりさらに精悍なデザインに変更され、同時に居住性向上のためキャビンはGTカーに相応しい広さと豪華さが演出された。

 基本構造体となるのは複雑に組み上げられた軽量な鋼管スペースフレームで、側面をとおるフレームのために通常の左右開きドアは採用できず、ここに300SLクーペが最大の特徴とするガルウイング式のドアが組み合わされる理由が生まれた。

 RMサザビーズによれば、1400台が生産された300SLクーペのうち、530台はシルバーのボディーカラーで仕上げられていたというから、シルバーはいわばデフォルトカラーであったともいえる。それはモータースポーツの世界において、メルセデス・ベンツを、そしてドイツを象徴するカラーにほかならなかったのだ。余談だが、故・石原裕次郎氏が所有していた300SLもシルバーであった。

 搭載されるエンジンは3リッター直列6気筒にメカニカル・フューエルインジェクションを組み合わせたもの。最高出力は215psを誇った。

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