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バブル王「テスタロッサ」の3倍の値段! 最終進化型「F512M」はコレクターズアイテムとして優良物件です

フェラーリ「BB」からのリアミッドV12最後のモデルとは

「ベルリネッタ・ボクサー(BB)」シリーズからの、あまりにも華麗で劇的なスタイリングの変化によって、世界中のフェラーリスタの目を釘付けにした、1984年デビューの「テスタロッサ」。

 このテスタロッサに最初のビッグマイナーチェンジが施されたのは1987年のこと。車名は新たに「512TR」となり、そのスタイリングとメカニズムは、細かく観察すれば相当に大規模なマイナーチェンジであったことが分かる。

「F512M」は、「フェラーリの5リッター、12気筒エンジンを搭載するモディフィカータ(モディファイド)」という意味(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
「F512M」は、「フェラーリの5リッター、12気筒エンジンを搭載するモディフィカータ(モディファイド)」という意味(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●モディフィカータという称号

 フレームは512TRにおいては、テスタロッサ時代のサブフレーム方式から一新、完全一体型に改められ、リアミッドの180度V型12気筒エンジンも燃料供給をボッシュ製のモトロニック2.7に変更。また圧縮比を10.0に高めるなどのリニューアルをおこなうことで、テスタロッサ比でプラス35psとなる425psを得るに至った。

 また、5速MTのギアレシオも見直された。ホイールサイズがテスタロッサの16インチ径から、一気に18インチ径に拡大されたのも外観での大きな違いだ。フェラーリは、この頃から当時のスーパースポーツではまだ珍しかったABSの採用をも視野にいれていたのだろうか。

 そして1994年、今回の主役であり、またテスタロッサ世代の最終進化型である「F512M」がパリサロンで発表される。「フェラーリの5リッター、12気筒エンジンを搭載するモディフィカータ(モディファイド)」という車名は、現在の──とくにMの称号においては──フェラーリの車名にも共通するネーミング手法だ。

 このモデルを最後に12気筒ミッドシップのシリーズモデルは生産が中止され、後継車の「550マラネロ」はFRへと基本設計を回帰したのは周知のとおりだ。

 F512Mの姿を最初に見た時、誰もが一様に驚かされたのは、その前衛的なエクステリア・デザインのディテールであったに違いない。そのデザインチームに与えられた使命は、エアロダイナミクスのさらなる向上と、フェラーリ車全体に共通するアイデンティティを持たせること。

 その基本コンセプトがもっとも的確に表れているのは、やはり最大の輸出市場でもあるアメリカの法規に影響されたともいえるリトラクタブルヘッドランプの廃止や、バンパースポイラーの造形。新たに丸型4灯式へとデザインが変更されたテールランプのそれも、前後して登場した12気筒2+2の「456GT」や8気筒ミッドシップの「F355」に共通している。

Next初期モノ「テスタロッサ」に比べてどれくらい高額落札された?
Gallery【画像】最後のリアミッドV12フェラーリ「F512M」を見る(スペチアーレ除く)(26枚)

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