宇宙に浮かぶ月を巨大な球体モチーフで表現
独創的な世界観を超絶技巧で表現するアーノルド&サン。
数ある複雑機構のなかでもとりわけよく知られているのがムーンフェイズで、月の満ち欠けを視覚的に示してみせるクラシックな機構は、いかにも同社が得意とするところ。
2021年6月に発表された“ルナマグナ”コレクションでは、なんとそのムーンフェイズを球体モチーフで立体的に表現してみせた。
4.75mmの薄型ムーブメントを貫くようにセットされているのは、直径12mmの立体的なムーンフェイズ。
グレーの大理石とアベンチュリンクリスタルで製作された月のモチーフは存在感たっぷり、わずか15.9mmというケース厚を考えあわせてみればそのボリューム感は容易に想像できるだろう。
さらにいえばこのムーンフェイズの運行は122年でわずか1日の誤差という驚くべき高精度を備えており、その差異の確認や調整も、りゅうず操作でユーザー自身の手で直接おこなえる。
華美な装飾性だけに陥らない実用性は、時計製造のプロセスを知り尽くしたアーノルド&サンならではのものといえる。

●プラチナの神秘的な輝きと妖艶なダークマゼンタに魅了される
思いがけない発想と技巧で世界を驚嘆させたコレクションから、ケースに神秘的な輝きを放つプラチナ950を採用した新モデル「ルナ マグナ プラチナ ムーンライト キアロスクーロ」が登場した。
少数製造を基本とするアーノルド&サンらしく、世界でわずか28本のみという希少なものだ。
時を伝えるダイヤルには従来モデルと同じく、ほのかな陰影をはらむホワイトマザーオブパールを用いている。
虹色の輝きをわずかに浮かばせる文字盤は自然素材ゆえにふたつとして同じものがなく、12個のローマ数字とブランドロゴとともに独自のクラシカルな世界観を映し出している。
またこの新モデルでは、ケースバックにひそませた魅力にも注目しておきたい。
例えばシースルーバックになった背面には、開発から製造、組み立てまで全てスイスメイドの自社製キャリバー A&S1021をのぞかせるが、このキャリバーは月の球体を中心に設計されたもので、中央には月齢を確認・調整できるセカンダリディスプレイを搭載している。
さらにチェックしておきたいのがストラップ。
重厚な風格を漂わせるブルーアリゲーターレザーだが、裏に返してみると妖艶な表情をたたえたダークマゼンタが息をひそませている。
思いがけない鮮やかな色に目を奪われながらケースバックをさらに眺めれば、巨大な3Dムーンを支えるフレーム部分も美しいマゼンタカラーに彩られていることにも気づくはず。
月の持つ神秘的なイメージをプラチナの輝きに載せつつ、ふくよかなマゼンタカラーを重ねたアーティスティックなタイムピース。ブランドの世界観を存分に堪能できる逸品だ。
●製品仕様
・価格:759万円(消費税込)
・リファレンス:Ref.1LMAX.A01A.C183A
・ケース径:44mm
・ケース厚:15.9mm
・ケース:プラチナ950
・ガラス:両面反射防止コーティング ドーム型サファイアガラス
・ストラップ:手縫いのブルーアリゲーターレザーストラップ(裏面はダークマゼンタカラー)
・ムーブメント:A&S1021
・駆動時間:パワーリザーブ90時間
・防水性能:30m防水
・販売数:世界限定28本