どうしてクラシックMINIをいまEV化するのか
MINIは現在、ガソリンとディーゼルというふたつの内燃機関のほかに、BEV、PHEVという4種のパワーユニットを搭載して販売されている。PHEVはクロスオーバーPHEVとして日本でも販売されているが、ハッチバックボディを採用したBEV「クーパーSE」は、2019年7月に欧州で発売され、2021年マイナーチェンジ版も登場しているが、日本では未発売となっている。

今回お伝えしたいのは、そうやって電動化を進めているMINIの、新モデル(?)だ。といっても、現行MINIがモデルチェンジしたわけではない。2021年1月25日にBMWが新たに発表した新しいBEVはクラシックMINIをベースとしたものだ。
●ただの電動コンバージョンではない
2018年、ニューヨーク・オートショーでBMWは、ワンオフ製作したクラシックMINIエレクトリックを展示した。その反響は、予想以上のものだったようで、そこから今回のプロジェクトは始まっている。
MINIを製作している英国オックスフォードの工場に専門チームをつくり、クラシックMINIを所有しているオーナーからの、電動化へのオファーに対応できる体制を整えたのだ。
「“MINI Rechargedプロジェクト”と名付けられたこの企画は、クラシック・ミニの個性を維持し、そのファンがオール電化のパフォーマンスを楽しむことを可能にするものです。MINIリチャージドは、MINIの過去と未来をつなぐものです」と、MINIブランド責任者のBernd Körber氏が述べているように、ただの電動コンバージョンではない。
作業はまず、エンジンを最大90kW(122ps)の連続出力を持つモーターに置き換え、160kmの航続距離を持つバッテリーを搭載することからはじまる。0-100km/h加速は約9秒とのことだ。
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