830万円でロレックス「ペプシ」が落札! 価格高騰中の「GMTマスター」の赤青ベゼルを今こそ手に入れるべき理由とは
世界初のGMTウォッチ「GMTマスター」にいま、注目!
ジェット旅客機の導入で、空の旅が一般的になりつつあった1950年代。当時の国際線パイロットが熱望したのは、離陸した国と渡航先の時刻が同時に確認できることだった。
タイムゾーンをまたいで飛び回るプロフェッショナルのパイロットウォッチの開発を、パンアメリカン航空から打診されたのが、「エクスプローラー」をはじめとするタフなウォッチで市場の信頼を得ていたロレックスだった。
要望を受けたロレックスは、1日を表す1−24の数字をベゼルに記し、通常の時分針とは別に24時間で一周する副時針(GMT針)を装備したGMTウォッチを開発。時差に合わせてベゼルを回転させることで、ふたつのタイムゾーンの時刻が確認できるようにした。
こうして開発されたロレックス「GMTマスター」は、1955年にパン・アメリカン航空のオフィシャルウォッチとして正式採用され、多くのパイロットにナビゲーションツールとして愛されたのである。
●国際線パイロットの腕時計として誕生
国際線のパイロットウォッチとして1960年に登場したGMTマスターは、1983年に「GMTマスターII」へと進化。2005年には、現行デザインにフルモデルチェンジを遂げる。
GMTマスターIIも、もはや現行と旧モデルが存在するロングセラーだが、アンティークとして分類されているのは、初代モデルである「Ref.6542」とセカンドモデルの「Ref.1675」である。
ただし、そもそもプロフェッショナル向けに開発されたRef.6542は、一般市場に出回ることすら稀だった激レアモデル。現在では、ほとんど投資向けに近い存在であり、最終モデルの「Ref.16700」も、作られた期間がわずか数年だったということでコレクターズアイテム扱い。
その点、比較的長く生産されていたロングセラーの「Ref.1675」は、タマ数が豊富なだけに相場も落ち着きを見せており、「デイトナ」や「サブマリナー」に比べても比較的手頃なアンティーク・ロレックスだといえるだろう。
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